中国の国内を移動するときの注意点 超初心者編3【各論・長距離鉄道とMRT編】(雲南省を例に)

総論の続きの各論、空港編に続いて、今度は、長距離鉄道とMRT編です。

長距離鉄道の駅での注意点(麗江駅と大理駅)

鉄道の乗り方ですが、事前にCtripで予約することもできますし、当日空きがあれば駅の窓口でチケットを購入することもできます。ただし、慣れない旅行者は事前予約が無難ですよね。私もCtripで事前予約しました。

チケットの引き取りには駅の窓口でID(身分証明)が必要です。チケットは記名式です(予約した席の乗客名が記載される)。

【総論編】で述べたとおり、チケットの購入・引き取りについても、空港のチェックインと同じで、中国の方はIDカードを使って券売機でチケットの購入・引き取りができるようですが、香港・マカオ・台湾人を除く外国人はできません。

駅に入るときにもセキュリティ・チェックが行われていますし、開札口ではチケットとIDの確認があります。

今回、私は麗江から大理まで在来線の特急で、大理で一旦降り、高速鉄道に乗り換えて昆明まで帰ってきました。

麗江駅でのチケットの引き取りには問題がなかったのですが、大理駅でその先のチケットを引き取ろうとしたときに問題が発生しました。

駅の窓口が見当たらないのです。

大理駅も大きな駅で、出口と入口がかなり離れた別の場所にあります。出口から出て左側に向かって駅舎を回ると、自動券売機の並んだコーナーや荷物一時預け入れ所があり,そこを過ぎてもう少し歩くと駅の入口なのですが、その一角に駅の窓口が見当たらない。

空港の自動チェックイン機でやってみたときと同じように、ダメ元で自動券売機でチケットの引き取りができないかやってみたのですが、やはりできません。

駅職員も見当たらないので、えっちらおっちら出口に戻り(結構距離があります)、出口担当の駅の職員に訊ねると、やっぱり「左側だ」といいます。うーん、どうしたもんかと自動券売機コーナーに戻ってみたら、駅の職員さんがいました。そこで彼女に確認したところ、「一旦セキュリティ・チェックを通って中に入ったところにある」と(!)。

こうやって書いてきて思い出しましたが、確かに、麗江駅でもセキュリティ・チェックを済ませ、駅の中に入ってから、チケット引き取り窓口に並びましたね。大理駅では、高速鉄道への乗り継ぎまでの間、少し時間を取って大理観光をするつもりだったので、外の自動券売機コーナーを見た瞬間に「中に入る」っていう発想が無くなってました。うーん、思い込みって怖い。

そういえば大理駅の外側は「改装中」って雰囲気だったので、また様子が変わるかも知れませんね。なんせ、2018年12月には昆明から麗江まで高速鉄道が開通して、昆明から麗江まで鉄道で3時間で行けるようになる予定、だそうです。

後で調べたら、手数料を払えば麗江駅で高速鉄道のチケットも引き取れたらしくて、私もそうすべきであったと思いました。スケジュールに余裕のない旅行者は、残念ながらお金で時間を買うしかない場合もあります。

まあ次来ることがあったら、昆明から麗江あるいはもっと遠くまで高速鉄道が開通しているでしょうから、在来線の特急から高速鉄道の乗り換えなんてしない可能性が高いですけどね。

MRTにて

空港と長距離鉄道に比べると、昆明市内のMRTに乗るのはずっと簡単ですが、セキュリティ・チェックはあります。一応、荷物はX線検査機に掛けますし、身体のチェックもありますが、空港なんかに比べるとずっと簡単で、金属探知機を軽くかざすくらいです。

ただし、駅の自動券売機でチケットを買うために人が結構並んで混んでいることがあります。混み合う券売機に並んだことがありますが、次が私の番!となったとき、何だか機械の様子がおかしい。前の人が券売機でチケットを買おうとしているのですが、お札が機械に入らないようなのです。私の番が来たのでやってみましたが、やっぱりお札が入りません。券売機は合計8台くらい設置されていましたので、別の券売機に並び直しです。

見ていると、私が並んだのとは別、一番右端にある券売機も具合が悪くなったようで、そこは駅の職員が来て不具合を確認していました。不具合の発生した券売機に並んでいた人々は、なんとなく左隣の券売機の列に合流していきます。つまり、横はいりです。でも、特にトラブルなどは発生しておらず、和やかな雰囲気です。

まあこんなこともありますので、やはり時間には余裕をもって。

でもMRT、安くて便利で快適です。宿泊したホテルの最寄り駅から、空港駅までわずか6元でした。100円しない。香港なんて空港に行くのに100HKD以上(1500円以上)するんだぞー。泊まったホテルから空港バスの乗り場も近かったので、どうしようかなと思ったのですが、バスが25元なので、断然、MRTの方が安いです。荷物を持っていても、エスカレーターやエレベーターも整っているし。

以上、麗江-昆明間の長距離鉄道と昆明のMRTについて、注意点を書いてみました。

参考までに

次の写真は、混み合う大理駅付近です。指が入っとりますが、距離感がわかりやすいのでこのまま載せます。団体が押し寄せ、荷物の一時預け入れか引き取りなのか、混み合ってました。この写真は大理駅の入口付近、出口はこの行列の人混みの先に行き、右折した先です。場所の大きさがお判り頂けますでしょうか。

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ではでは!

中国の国内を移動するときの注意点 超初心者編2【各論・空港編】(雲南省を例に)

総論に続き各論です。

まずは難易度の高い空港について。

空港での注意点

最も難易度の高い、空港での注意点です。

まず、空港のようなところは、中国でも混雑する典型的な場所ですので、何もするにも並んで時間が取られるものだ、ということを頭に入れておくとよいでしょう。

あとは、基本的に他の国の空港とやることは変わらないのですが、中国はちょっと変わっている点があります。

チェックインと荷物預け入れ時

前の記事で述べたとおり、香港・マカオ・台湾人を除く外国人は自動チェックイン機が使えないので、チェックインカウンターでチェックインと同時に預け入れ荷物を預けます。当然、ウェブチェックインみたいなサービスはありませんので、自動チェックインやウェブチェックインができる空港よりは時間を取られることになります。

それと、私が今回経験したように、預け入れ荷物がセキュリティ・チェックに引っかかることもあります(後で述べます)。

私の例を具体的に書いてみます。

今回、私は、昆明から麗江まで深圳航空を利用したのですが(事前にCtripで予約)、専門カウンターはなく、他の複数の航空会社のカウンターと統合されたカウンターでしたので、空港に着いた段階でお客さんが長蛇の列でした。

カウンターの手前には自動チェックイン機が何台か設置されていて、付近の看板に英語で「乗客はあらかじめ自動チェックイン機でチェックインをせよ」と書いてあり、中国の方はIDカードを使ってどんどんチェックインしていきます。そこで、「チェックイン機が使えるのかな?」と思い、使ってみようとしたのですが、日本のパスポートは自動チェックイン機に認識されず、使えません。近くにいた空港職員に確認したところ、直接カウンターに行くようにとのこと。まず、「外国人は自動チェックイン機ではチェックインできない」ことを確認するのに時間を取られました。

そこで、長蛇の列に並び、カウンターでチェックインはできたのですが、カウンター職員から、パスポートとチケットを渡して貰えないまま、荷物タグを渡されました。何かをしないといけないようです。さっぱり意味が分からず、自動チェックイン機とカウンターの間をうろうろして人に聞きまくったところ、どうも荷物の中身がセキュリティに引っかかったようで、別の窓口(丁度チェックインカウンターと自動チェックイン機の間にあり、中に入ると私の荷物が置いてありました)に行って、その対応しなければならなかったのでした。

セキュリティ担当の職員からは、「ライター」と言われたのですが、私は喫煙しないのでライターを荷物に入れる筈がありません。「ライター、没有(めいよー)(ないよ)」と言って、引っかかった私の荷物=キャリーケースの中身を見せたのですが、それ以上職員から荷物を調べられることもなく、職員も「めいよー」と聞いた段階であまり関心もない様子。訳が分からず、頭を捻りながら元のカウンターにキャリーケースを持ち帰り、カウンター職員に「OK」と伝えて再度預け入れ。今度は大丈夫でした。X線検査で何かをライターと勘違いされたようです。通常、預け入れ荷物の中身がセキュリティに引っかかった場合、預け入れ窓口でもあるチェックインカウンターでキャリーケースを開けて問題の物品を出す筈ですが、別の場所で対応する今回のようなケースは初めてでした。

保安検査場でのセキュリティ・チェック時

機内持ち込み手荷物のセキュリティ・チェックの方法や、持ち込んではいけない荷物の内容は、他の国と殆ど同じです。

ただし、身体に対するチェックが他の国より厳しめです。一応ゲートは通りますが、ゲートで警告音が鳴るかどうかに拘わらず、全員が、金属探知機と職員の手によるボディチェックです。

私の場合、昆明に着いた日にそれまで履いていたスニーカーが壊れてしまい、以後、トレッキング用の分厚い靴で過ごしていたのですが、中国の空港のセキュリティ・チェックで分厚い靴は要チェック物件だったようで、結局、靴を脱ぐように言われて脱いだ靴をX線検査に通し、その間、私は椅子に座って足を上げ、職員が靴下の上から金属探知機でチェック、という念の入れ様でした(靴に何かを仕込む手口があるのか?まあベトナムの空港では全員が靴を脱ぐのですが)。

預け入れ荷物受け取り後

麗江三義空港の出口では、空港職員による預け入れ荷物のタグチェックがありました。ターンテーブルで預け入れ荷物を受け取った後も、荷物タグは捨てずに取って置いた方が良さそうです。ところで、このタグチェック、何故か昆明長水国際空港ではありませんでした。人が多すぎて混雑するからでしょうか。

ところで、昆明長水国際空港の国際便到着時には、「到着口から出る前」に、荷物全部をX線検査に通す必要がありました。もちろん、出発の香港で荷物は全部セキュリティ・チェックを受けているのですが。これも初めての経験でした。

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これは、昆明長水国際空港の国内線の保安検査場を通過してすぐの場所にある、花の店です。ほっとした気分で写真を撮ったのを覚えています。店では造花も売っていますが、生花や球根も売っています。昆明は花と果物、そして8月はキノコの溢れる街でした。空港でも生花や箱買いの果物を持ち込んでいる人を多く見かけました。ちょっと羨ましい。

 

中国の国内を移動するときの注意点 超初心者編1【総論】 (雲南省を例に)

2018年8月にマカオ・香港・中国の雲南省を旅しました。中国国内での宿泊日数は6泊で、雲南省の昆明・麗江間を空路と陸路で移動してきました。

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中国を私的に旅するのは初めてでしたが、これまで私が個人旅行で国内移動をしたことのある他のどの国(タイ・台湾・ベトナム)とも勝手が違っており、戸惑うことも度々でした。反面、中国は治安も良いし、大都市では公共交通機関が安く便利に利用でき、見所も多く、慣れればとても旅行しやすい国です。北京や上海ならともかく、地方都市ならまだまだ物価も安い。

そこで、今回、中国に行ってみたいけど勝手が分からない、という初心者に向けて、私の感じた注意点を記事にしてみることにしました。

だたし、以下はあくまでも2018年8月時点の雲南省における事情であることにご留意下さい。

もっとも、私が感じた点は、中国旅行に詳しい方の書いたものと比べてもそれほど違いがないようですので、ある程度一般性がある情報ではないかと思います。

中国国内を移動するときの注意点は…

中国国内を移動するときの注意点、それは…
充分に時間とお金の余裕をもって行動すること。

これに尽きます。

え、それだけ?外国旅行するなら当たり前やんかー。

…って思われたかも知れません。

しかし、中国での「余裕」は、通常の日本国内や他国での「余裕」とはレベルが違います。

慣れないうちや、空路など重要で手続に手間のかかる移動手段を利用する場合、通常、日本などで考えられる「余裕をもって」に、少なくとも1時間、できれば2時間を足して考えて欲しいところです。さらに、万一、飛行機や列車の乗り遅れ・遅延が発生した時に備えて、旅費予算はギリギリではなくて、これらの事態に遭遇した場合に余分にかかることが見込まれる、宿泊費や交通費も取っておいて下さい。

考えてもみて下さい。中国は日本の約26倍の面積、約10倍の人口を擁する広大な大国です。どこに行っても建物や施設が巨大です。しかも、それを凌駕する人の多さに圧倒されます。例えば、空港や駅などの施設内で、何かの窓口が分からなくなり、それを探さなければならなくなったとしたら(意外によく発生する局面です)。人混みの中、うろうろする距離や時間が長くなるのです。日本での何倍もの労力や時間がかかります。

次の写真は雲南省有数の観光地「石林」です。広い敷地ですが、これだけの観光客が殺到します。

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しかも、中国では、公共交通機関などの公共の場を利用する際、パスポートが必要になる場合が多くあります。外国人だからパスポートが必要なのではなく、サービスを利用する者全員にID(身分証明)が必要なのです。これらのIDが要求されるのは空港だけではありません。長距離列車や長距離バス、さらには有名観光地への入場においてすらも要求されることがあります。上の石林でもチケットを買うとき、入場するときの両方にパスポートが必要でした。

現在、中国人はICチップ入りのIDカードを持っていて、空港の自動チェックイン機や、駅の自動券売機でカードによるID認証を受けることができ、中国人に関しては手続が簡略化されつつありますが、外人はそういう訳にはいきません(但し、香港・マカオ・台湾人は可能なようです。詳細不明)。混み合って人が沢山並んでいる窓口に並ばなければならないことも度々です。

セキュリティ・チェックも大変厳しく、空港は当然のことながら、先に挙げた長距離列車や長距離バス、観光地への入場の他、MRTでも、荷物や身体のセキュリティ・チェックが必要です。唯一の例外は、1元とか2元で乗れる路線バスくらい。

券売機の不具合や人為的なミスなども考慮に入れておかなければなりません。中国では人によって仕事の出来不出来がはっきり分かれます。いい人に当たると順調に問題なく事が進みますが、駄目な人にかかるとミスがあったり、時間を取られたりするのです。それと、何か不具合があったときに、日本みたいにサービス提供者がペコペコ謝ってくれる、なんてことはないものと心得て下さい。また、中国人も、ちょっとやそっとの不具合や支障で文句を言ったり騒いだりしません。辛抱強く列に並びます。人の力ではどうしようもないことに対して騒いでも仕方がないのです。「中国人は気が長い」と言われている意味が分かった…。

あと、旅行者側の事情ですが、大抵の日本人は中国語は堪能でないでしょうけど、中国には英語が解る人が余りいません(日本語のできる人はもっといない)。いざという時は筆談ですので、やっぱり時間が掛かることになります。まあ、中国行くのは中国語がある程度できるようになってからにすべきだ、っていう考え方もあるのでしょうが、そんなこと言ってたら、いつまで経っても行けませんしね…。

長くなってきたので、各論は次回以降に。→各論・空港編 →各論・長距離鉄道とMRT編