昆明の長い一日~2018年8月マカオ・香港・雲南省旅行 その5

今回の旅行の日程

8月8日(水) 羽田発-香港国際空港経由でマカオへ マカオ泊

8月9日(木) マカオ泊

8月10日(金) マカオからフェリーで香港へ 香港泊

8月11日(土) 香港から中国・雲南省昆明へ 昆明泊←今ここ!

8月12日(日) 昆明から空路で麗江へ 麗江泊

8月13日(月) 麗江泊

8月14日(火) 麗江から大理経由で昆明へ 昆明泊

8月15日(水) 昆明泊

8月16日(木) 昆明泊

8月17日(金) 昆明から香港へ 香港泊

8月18日(土) 香港国際空港から空路で羽田帰着

 

8月11日の出来事、続き。

思い起こせば8月11日の移動については、実は、日本にいるときから悪い予感がしていた。別に「第六感」で感じたとかそういう超能力で察知していた系の話ではなくて、よく当たると噂のWindy.comの予報で、香港付近をチェックしていたからである。

10日位前から香港付近を見ていると、11日頃に、広州市の南西の海上で風が小さな渦巻き状を呈していることがわかった。これは、台風ほど大きな規模ではないけど、熱帯低気圧のようなものが広州市の南西海上を発達して通過していくことを示している。いうまでもないことだけど、航空機での移動は台風や低気圧にはとても弱い。

しかもこの日は、香港から昆明まで国際便に乗ったあと、中国国内便(LCC)で昆明から麗江まで移動する予定になっていた。慣れない中国国内での移動で飛行機が遅れたら………。

香港国際空港にチェックインして保安検査場を通過し、出発ゲートまで到着したが、案の定、いきなり「出発20分遅れ」の表示である。

機内に案内され、機長より「交通渋滞で機長が遅刻した」旨の報告と謝罪があったが、その後、一向に飛び立つ気配がない。降り始めた雨の勢いが激しくなる。暫くして、再度、機長より2時間くらい出発が遅れるとの説明があった。麗江行きの飛行機に乗り遅れることが確定である。

そのうち、飛んでいないのに機内食が提供され始めた。客室乗務員に、鶏にするか、牛肉にするか訊かれたのだけど、言葉が英語ではなくて広東語である。「英語でお願いします」と伝える。もう、アウェー感満載である。

DSC_0266.JPG

機内食が撤収されると、ようやく離陸の準備が始まった。

昆明には、当初到着予定時刻の優に3時間は遅れて到着した。乗り換える予定の便はとっくに出てしまっている。乗り継ぎではなくてLCCへの乗り換えなので、何の配慮も期待できない。

昆明での入国審査は、これまで私の経験したどの国よりも厳しく、両手の指紋の全部採取と、顔写真の撮影だった。指紋採取は、設置されたモニターの指示に従って、機械のガラス盤の上に、まずは片手を左手の指をまとめて4本、そして右手の指を4本、次に左親指、そして右親指を押しつけ、下からの光で感知する方式だったが、両手の指それぞれ4本の指紋を採った所で、機械が先に進まなくなってしまった。入国審査官にめっちゃ怒られたが、中国語がさっぱり分からない。何かしなければならないのか、と一瞬うろたえたものの、入国審査を受ける側が何かできることは特にないようだった(今考えても、怒られただけで、私が何かしなければならないこと、できることは何もなかった筈)。結局、もう一度最初に戻って、今度は無事、最後まで終わった。多分、指紋採取の機械の感知能力の問題。

荷物をターンテーブルから取り上げ、出口から出ようとしたら、出口にも荷物用X線検査機が設置してある。これは申告する物品がある人だけだよね~とそのまま外に出ようとしたら、同じように検査機をスルーして出ようとした他の客が、係員に厳しく注意されている。出るときも機械に通さないといけないのか…。

ここまでで、既に、相当な疲労感を感じつつ(多分に精神的な物)、善後策を相談すべく、キャリーケースを引きずりながら巨大な昆明長水国際空港でキャセイ・ドラゴン航空のカウンターを探してさまよい歩く。

が。それらしきカウンターが全く見当たらない。案内掲示板を見ても、キャセイパシフィック航空やキャセイ・ドラゴン航空のカウンターが存在しないようなのである。えっ、定期便が香港から飛んでいるのに…?空港職員に確認しても、ない、という返事。というか空港職員の英語も危うい。空港なのに…。

11日中に麗江に行く飛行機も、午後11時発・深夜麗江着の便しか空きがない。もう昆明に泊まることが確定である。

日本で入ってきた旅行保険に、航空機遅延補償が付いていたので、対応を確認する。電話窓口では保険適応できるかどうかの判断までは付かないみたいだった。まあ、予想が付いたことだけど。

空港で座り込んでネットで空港の近くのホテルを検索したり、保険会社に電話したりしていると、空港も夕方から夜らしくなってきて、人の姿が少なくなってくる。お土産だと思われる、雲南省の少数民族が使う太鼓をリズミカルに叩きながら通り過ぎる人がいる。だだっ広い空港なので、遠くで鳴らす太鼓の音が心地良く反響するのだけど、この状況だと何だか、もの悲しい音色に聞こえる。

急に標高が高くて空気の薄いところに移動したためか、疲れのためか、段々頭痛がしてきた。

途中で空港のトイレに入ってみたけど、いわゆる洋式ではなくて、床に所在する金属製の平たいタイプである。順番待ちの人々は、あまり整然とは並んでいなかった。というより、「並ぶ」という概念がないような人の存在の仕方である。個室から外に出たら、おばあちゃんが大量のブドウを洗面台で洗っていた…。

ホテルは予約できたが、気が付いたら午後7時もとうに過ぎている。昆明は日が暮れるのが遅く、8月は午後7時過ぎでもまだ明るい。無難に空港で食事をすることにした。

DSC_0272.JPG

雲南省名物の米線である。

さて、食事も終わったので、予約したホテルに向かう。ホテルは送迎付らしいのだけど、よく分からないし、空港からは近い場所なので、タクシーで向かうことにする。

タクシー乗り場で順番を待ち、タクシーに乗り込んだ。が、行き先をスマホで見せると、運転手(ものすごいチリチリパーマのロングヘアのおばちゃん)が、何事かタクシー案内人のおじさん達にわめき始めた。多分「道が分からないわよ!外国人だし!」などと言っていたのだと思われる。仕方ないので、スマホに百度地図で経路を表示し、タクシーの案内人のおじさん達にスマホを渡して見て貰う。おじさん達がそれを吟味して協議した結果によれば、別に問題なく行ける場所のようだった。だって空港から近い筈だし。

少々不安を感じながら出発するも、道すがら、おばちゃんは高速道路の料金所の職員に道を尋ね(職員は、紫の制服[服とお揃いのベレー帽あり]姿の若い素敵女子だったけど、困惑気味。当たり前。)、通りすがりのお兄さんにも道を尋ね、もう迷走といっても過言ではない。途中、「もう私の手には負えん!」と、放り出されるかと思った。こんな道路しかない真っ暗な中国の田舎なのに、放り出されたらどうしよう。

さらに、おばちゃんは、間違った交差点を右折してしまったらしく、また、道行くおじさんに道を訊き、真っ暗な道を四角形に三回左折すると、ようやく目的地のホテルに着いた。てか、さっき右折せず真っ直ぐ行けばスムーズに目的地着けたやんかー。

ここまで約40分。料金は40元。50元札しかなかったので出すと「好的(はおだ)」と言って、お釣りはくれんかった。

言っとくけど、百度地図には経路案内機能が付いていて、それを使えば道を曲がる場所を音声で案内してくれる。カーナビとシステムはおんなじだ。なのに迷うってどういうこと?言葉ができるとかできないとかいう以前の問題だ。

中国に限らず、タクシー運転手はレベルが低いと思う。中国の場合は滴滴なんかと比べてもタクシーは料金が高いし、いいところない。

ホテルのチェックインは混雑し、カウンターの従業員は忙しそうだったけど、中に、少々英語ができる人がいたので何とか大丈夫だった。

部屋のあるフロアに上がると、空いている部屋のドアと窓、廊下の窓が、風通しのために全開にしてある。涼しい風が入ってくる。ここは標高1900メートル位ある筈だから、それまで滞在していたマカオや香港とは随分気候が違う。

荷物を置いて、飲み物を買いに外に出て、初めて、街の様子が分かった。ここはホテル街のような場所で、土産物屋が建ち並ぶ。何処かに似ていると思ったら、台湾の山奥の温泉街だった。台湾で売っていたのは山菜とキノコだったが、ここでは円盤形のプーアール茶が目立つ。

部屋に戻ったけど、部屋のトイレ、何故か、正面がガラス張りのスケスケである。洗面所とシャワールームは目隠ししてあるのに。洋式でもニーハオなのか。

こうやって、疲労困憊した昆明での1日が暮れていった。

DSC_0275 (2).jpg

これはホテルの窓から撮った景色である。派手な電飾やなーと思って。隣は病院だった。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください