釜山に行ったら絶対に行くと決めていた場所がありました。
日本領事館傍の「平和の少女像」です。
言わずと知れた、「慰安婦」と呼ばれる、旧日本軍によって戦時性暴力の被害を被った幾多の女性達の苦しみを記憶するための像です。
甘川洞文化村を訪問した後、早めに昼食を取り、地下鉄で日本領事館のある草梁(チョリャン)駅に向かいます。日本領事館の最寄りの地下出口を出ます。
出てちょっと歩くと、地下からのエレベーター出口の後ろに「平和の少女像」がすぐ見つかります。
考えていた以上に、こぢんまりした像です。見た瞬間に、いろんな思いが胸を去来し、一言では言い表せません。
女性達が、「慰安婦」として連れて行かれたときは、まだ10代の少女だったので、像は少女の姿をしているんだそうです。
台座の後ろ側に回ってみると、少女がおばあさんになった姿がタイルで施されています。
白い蝶は、韓国では魂の転生を象徴するようです。元「慰安婦」であった女性達が、日本政府の謝罪を受けられないまま亡くなったことを示しています。
そういえば、「国際市場で逢いましょう」でも、白い蝶が要所要所でモチーフとして出てきます。
像が設置された2016年あたりには、像の周囲は騒然としていたようですが、行ったときは土曜日だったこともあり、遠巻きに警察官が見守っているだけで、誰もおらず、とても静かでした。
上の写真は、「平和の少女像」の正面あたりから撮りました。黄色い囲いがあるあたりが、日本領事館の正門入り口だと思われます。
反対側はこちら。
日本の報道では「日本領事館前」と報道されていて、正面出たあたりに少女像がどどーんと置かれているのかと勘違いしそうですが、実際には塀の中間あたり、正確には「日本領事館の横」といった方がいいですね。
それにしても、日本領事館の塀が威圧的です。何かを恐れているのでしょうか?塀の向こうからのぞく桜の花だけが無駄に美しかったです。
もう一度、「平和の少女像」をよく見てみますと、台座のところには桜の花びらが落ちていなくてきれいに掃除され、新鮮な花が手向けられています。毎日、誰かがお参りしているのでしょう。元「慰安婦」を支援する方々の、地道な支援活動が窺えます。
いわゆる従軍慰安婦の問題について、私としては、彼女たちに対して心底気の毒で心が痛む思い、それ以外に何もありません。大部分の「慰安婦」が、年端もいかない教育程度も低い貧しい出身の女性達であり、嘘の広告に騙されて連れて行かれたのです。そして、それに対する旧日本軍の関与が強く推定されているのですから、なんで日本政府が謝罪しないのか、河野談話程度の内容を官房長官が発表することはごく当たり前でなんで問題になるのか、さっぱり理解ができません。大日本帝国と現代日本国は別の物だし。別の物だと思いたくない人たちが問題にしているんでしょうか。きっとそうなんでしょうね。
「平和の少女像」は、もう、ずーーーっとここに置いておけばいいと思います。昨今の情勢からすれば私がこんなこと言わなくても、そうなりそうですけど。
このことに対する解決には何の力もない、無力な自分に情けなくなりつつ、「平和の少女像」を後にしました。
(おまけ・3月30日の昼食)
カンジャンケジャン。ワタリガニの醤油漬けですね。
初めて食べた。どう見てもソジュのつまみです。短い訪問日程に、無理矢理食べたいものを詰め込んだのでこうなります。
昼間だったし、「平和の少女像」訪問前だったので、お酒は飲まなかったどー。昼から飲むのは一定の節度として(結婚披露宴とか特別なとき以外は)やらないことにしていますー。