2020年1月1日に、メコン川をスピードボートで下って、プノンペンからチャウドックまで行った話の続きです(前編はプノンペンからチャウドックまで・チケット取得編(2019年12月~2020年1月 カンボジア・ベトナム その3))。
当日はチェックアウト後、午前12時にホテルロビーまで、送迎が来ることになっていました。
結局、送迎がやってきたのは12時過ぎ。送迎はトゥクトゥク(旧型)でした。
街の中心部のやや北側にある船着き場(今、地図で見たら、ナイトマーケットの近くです)に、12時半頃着。
出迎えの係員のおじさんに導かれて、事務所に付いて行きます。途中、船員待合室で船員達が熱心にトランプのカードゲームに興じています。(「賭(かけ)」かな…)と思いながら、横目で通り過ぎます。
事務所のカウンターで、おじさんが私のパスポートを入念にチェック。カンボジアビザの貼付された頁は真っ先に見せたし、何をチェックしているのかと思ったら、前回ベトナムにビザなしで入国後、出国してから30日経過しているかどうか(ベトナムビザなし入国の要件)をチェックしていたのでした。
もちろん、30日以上は優に経過していますので、問題なしです。
おじさんより、大体、午後1時くらいに船が出るので、それまで併設の食堂で待つように指示されます。
んで、この食堂(カフェ)。
あとでGoogleの位置情報で見たら、「タイタニック・カフェ」という名前らしい。縁起わるない??
同じように船を待つ観光客相手に、クメール伝統音楽の生演奏もやってました。
結局、船がやってきたのは、午後1時30分近くになってから。ベトナムのチャウドックから朝出発した便が折り返すらしい。
船着き場までが急坂で、荷物を持って降りていくのに少し苦労していたら、そこに手助けしてくれる人の手が。荷物を持ってくれる聖人が!……と思ったら、「ワンバゲージ ワンダラー」やって。ったく、油断もスキもないのおー。
別に1米ドルが惜しいわけではないが、親切ごかした根性が気に喰わない。
「ワンバゲージ ワンダラー」のおっさんは華麗にスルーして、チケットを見せて荷物を預けてゲートの中へ。ここまではおっさん連中も入ってこない。
今回のスピードボートは、”Hang Chau Tourist”というベトナムの旅行会社が運行しているようです。船体に”HANGCHAU TOURIST EXPRESS BOAT”と書いてありました。
ここプノンペンで降りるお客さんは沢山いましたが、チャウドックに行く便に乗る人は少ない。せいぜい、7~8人くらいだったでしょうか。
ガラガラです。
おやつに、ミネラルウォーターとバナナにおやつが配られます。この丸いケーキみたいなのは、ちょっと私の口には合わなかったので、残してしまった。
そうこうしている内に、しゅっぱーつ。ひゃっほーい。
さらばプノンペン。
にしても、プノンペンの都心部はあちこちビルが普請中。経済活動の活発さがお分かり頂けるでしょうか。
トンレ・サップ川とメコン川の合流地点では、上の写真に写っているように、川の水の色が二色に別れているのを見ることができました。茶色いのがトンレ・サップ川、緑色がメコン川です。ブンタウに高速船で行ったとき(島に行く・その6(3日目 ブンタウ日帰り)~2018年4月・5月ベトナム)にも、同じように川の水が二色に別れているのを見たことがありますが、こういうのは、メコンデルタ特有の風景といいましょうか、大陸ではないため大河が存在しない日本では、見ることができない風景だと思いますね。
川の両岸をよく見ると、絶壁になっています。1月は乾期なので、水位が下がっているのだと思われます。水量の多い雨期は、絶壁の上の方まで水位が上昇するのでしょう。
群生するススキが、岸で穂を付けています。朝晩は涼しいので、メコンデルタの秋ってことなのでしょうか。左側の岸沿いに、網が張ってあるのも見えます。魚採りの網でしょうね。
ボートは結構なスピードで進んでいるため、下の船室、進行方向左側の座席だと外でしぶきが上がって水がかかります。なので、窓は閉めて、反対側の席に移ってしまいました。人が少ないので、席替えは余裕。へーき。
それにしても、良い気分です。
ビールを1缶1ドル≒4000リエル≒2万ドンで売っているのを見つけたので、買いました。良かった。細かいリエル札が少しさばけました。
この時期のカンボジアの昼下がり、日光もきつくて過酷な気候ですが、湿気は少ないため、日陰で船窓の風景を眺めながら缶ビールを飲み、スピードボートの窓から入って来る風に当たるのは、控えめにいっても最高。
風景に見飽きたら寝ててもいいしね。
この橋は、地図で見たら”Tsubasa Bridge”と日本風の名前が付いていました。日本の援助で出来た橋でしょうか。
漁船と、漁をする人々。
大きな貨物船をあっという間に追い抜きます。
さっき「飽きたら寝ててもいい」と書きましたが、次々と移り変わっていく船窓の風景、全く飽きません。
3時間ほどの船旅の後、午後4時半ころ、カンボジア国境の入局管理局に到着しました。
旅客一人ずつパスポートのチェックがあり、手指の指紋は10本全部を取られました。入国の時は、両手の人差し指だけでしたから、ここの入局管理局は厳しめですね。指紋10本を採取されたのは中国以来じゃないかしら。
旅客全員の出国手続が終わると、乗ってきたボートに再乗船。ボートの変更はありません。
おおおーっ。ついに午後4時51分、船でカンボジアとベトナム間の国境を越えました!
記念のスクリーンショット。
5時前にはベトナム側の入国管理局に到着。ここでは一旦下船して、係員を通じてパスポートを預け、待合室で待つだけです。しばらくすると、ベトナムの入国のスタンプが押されてパスポートが返却されて終わり。
再度ボートに乗り込みます。
数十分ほどで、ボートは、メコン川からチャウドックへ向かう水路に入ります。
水路は住民の生活の場なので、ボートは少し速度を落として進みます。
そろそろ日暮れ時。船上から夕日を眺めることができました。
ベトナムのチャウドックにとうちゃーく。
到着は午後6時ころ。入国審査手続も入れて、4時間30分程度の船の旅でした。
プノンペン(カンボジア)からチャウドック(ベトナム)へのスピードボートの旅の感想ですが、乾期で天候にも恵まれ、船上から移り変わる多様な景色や船を眺められて、非常に楽しかったです。船もさほど揺れなかったし。ほんと最高。(冷たいビールが飲めたから言ってるんじゃないよ!)
旅での移動って単調で疲れがちなものですが、スピードボートだと移動手段自体がアクティビティになる、と感じました。おそらく同じスピードボートで同じルートを通っても、その時期の気候や天候によって感想は左右されるでしょうが、かなりお勧めです。チケット手配のときの苦労(プノンペンからチャウドックまで・チケット取得編(2019年12月~2020年1月 カンボジア・ベトナム その3))もどっか行ってしまいました。
スピードボートの旅は以上!