空港のセキュリティでは靴を脱ぐ・その6~2018年1月ベトナム

1月2日。この日Twitterで書いたことと重複しますが、まとめとして。

私はケムビーチに行ってみたかったのだが、ここは、マリオット(注:2018年1月16日訂正。シェラトンではなくてマリオットでした)が出来て海岸の多くの部分をプライベートビーチにしてしまい、ローカル食堂も追い出されてしまったらしい。そこで、タクシーを使って東海岸の別の場所に行ってみることにした。

だが途中からこの悪路である。

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あまりにも揺れすぎるので写真には撮れなかったが、怖かったのは、前方を走行する建築用の赤レンガを大量に乗っけたトラックが、道がデコボコ故に揺れまくり、レンガを落としまくりだったことだ。ひえー!危ない!落ちる落ちる!間違って直後を走ろうものなら、上からレンガが落っこちてくる。

つまり、この辺の道路は未整備なのだけど、それでも周辺のリゾート開発がどんどん進みつつあって、たくさんの別荘やホテルなどが普請中のため建築資材を運ぶ車両や道路整備の車両がどんどん通る、そのため、雨が降ると道がドロドロになって車両で道が掘れてしまうのだろう。

こんな風にコンクリートで固めた部分もあるのだけどね(でもまだ通れない)。

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着いた。海が荒れていて泳げそうもないので、景色を眺めて食事をして帰ることにしよう。こんなに悪路だとやっぱりタクシーに待っておいてもらった方がいいなあ。2時間待ってもらったら、いくらかかるか、タクシーのお兄さんに聞いたのだけど、いらないという。2回も確認したのだけど。

ここのリゾートのお姉さんが近寄ってきたので、食事を取りたいと伝える。お姉さんがタクシーのお兄さんに何事か確認。確認後、お姉さんはちょっとあきれたような顔をして、「ここまで道も悪いし、新年なんだから、彼にチップをあげないと駄目よ。」と云う。はい。わかりました。ベトナムの人は世話焼きだと聞いていたので、なるほどこういうことかと思う。

海は荒れている。多分、この季節は風がこうなのだろう。でも、写真を撮っていたら、白人の女性がビキニで木陰から出てきた。この荒波でも泳いでいたのかなぁ。

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海鮮チャーハンを頼む。ニンニクが効いている。ここらあたりは、肉よりイカやエビの方が安いのではないかと思う。

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食事をしていたら、立派な白髪の紳士が近寄ってきて、「日本の方ですか?」(←このまんまの日本語)と話しかけてきた。ちょっとびっくりして、”Can you speak Japanese?”と云うと、彼はわかりやすい英語で次のように話し始めた。

ぼくはね、50年前に日本でドイツ語を教えていたんだよ。でも、日本語はもう忘れてしまった。目黒にいたんだよ。日本のどこから来たの?東京のどこ?ああ、羽田の傍なのか。羽田は、もう国内線専用になったの?ぼくがいたときは、空港は羽田しかなかった。南日本のいろんな場所に出かけたよ。愛媛、鹿児島、広島…。北日本には行ったことがない。ぼくは、寒いところは苦手なんだ。ここは暖かくていいね。では、食事を楽しんでね。

そう云って、彼はご家族の方に戻っていった。

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波は荒いが、なかなか素敵な場所である。

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こんな可愛い素敵なバンガローがあって、扉を開けると寝室の外がビーチ。ベッドに寝そべりながら海を眺めることができる訳だ。こういうところに泊まりたいな。こぢんまりしている分だけ、さっきみたいに知らない人とも話せて、人と人の距離が近い感じがする。

食事が済んだので戻ることにする。ここも犬を飼っていた。島の人たちは皆、犬やニワトリといった自然に囲まれて生活している。

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戻る途中。わかりにくいですが、こんな感じで整備中の更地がたくさんある。そのうち、別荘やホテルだらけになるのだろう。

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戻りも途中まで本当にガタガタ揺れて、タクシーのお兄さんには本当に申し訳ないという気分。リゾートのお姉さんに云われたとおり、多めに渡したけど、表情がいまいち読み取れず、喜んでくれているのか足りないと思っているのかよくわからなくて気に病む。チップの制度ってちょっと面倒で戸惑う。

物足りなくなって、結局、戻ってから少し近くの海岸で泳いだ。

そんなわけで、1月2日も上手くいったとはいえない過ごし方だったけど、それでも、ここまでに書いてきたような本当に何でもない体験から、何とも言いがたい手応えを感じる。不思議。

 

 

空港のセキュリティでは靴を脱ぐ・その5(元日)~2018年1月ベトナム

2018年1月1日は、あまり触れたくない、いろいろうまくいかない日だったので飛ばそうかと思ったのだけど、帰ってきてから写真チェックしてみるとなかなか面白かったので書いてみる。

まず。バイクを貸してもらえなかった………。

「悪いこといわねぇからタクシーに乗りな」。そう言い捨ててバイク屋のおっちゃんは去る。

えっと。気を取り直して。自転車を借りることにした。

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日差しはきついが風がさわやかなのでなかなか快適。ただし、サドルが固くて股間が痛い。クッションが欲しい、いや、ママチャリが欲しい。誰かママチャリをベトナムで流行らせませんか。もっといえば、電動アシスト自転車が欲しい。それなら私にも貸してもらえるだろう。

1月1日なので、さすがにあまり飲食店も開いてないようだ。カフェで昼の軽食を取ろうと思ったけど、本当に飲み物しかなかったので、麺料理の店に移動。

謎の日本風時代劇をやっている。

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……なんだこの展開は。坊主に美女。展開が読めん。

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女性の髪型と、役者の着物の着方と、腰高で歩く所作が気になる。和服の所作は、腰を落としてナンバ歩きで頭を平行移動させながら高速移動する、というのが基本だけど、そんなの現代の日本役者だって出来てないからなぁ。私だってできんわ。

と、ここで忘れ物事件発覚。食事どころではなくなり、そそくさと麺を掻き込んで元のカフェに慌てて戻る。

忘れ物は、元のカフェに忘れた時のままの状態で置かれていた。さすが治安のよいリゾート地フーコックばんざい。

疲れたのでまた別のカフェで休憩。カフェで休憩してばかりである。

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なんだか間が悪いので戻ることにする。

不思議な形の雲。

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この日は、本当だったらBee Farmに行きたかったのだった。養蜂農家がカフェや売店をやっていて、養蜂の様子も見せてくれるというもの。情報を検索するとよく出てくるのは、島北部の”Phu Quoc Bee Farm”であるが、遠い。

ところが、これとは別に、”Bee Farm Phu Quoc Honey”という施設があるらしいのがわかった。名前が紛らわしい。パクリ?(どっちが)

情報は殆どベトナム語で書かれているFBしかなかったが、空港の近所らしかった。これなら、午後遅くなっても自転車で行ける。

場所はすぐにわかった。空港の傍なので、観光客向けのペッパーファームなぞがあるところに近い。立派な施設と駐車場である。ツアーの観光客をバスで連れてくるのかな。

おじさんが子どもと遊んでいたので、ハチミツを買えるかどうか聞いてみたら、買えるというので、中に入れてもらう。ハチミツの種類は1種類しかないようなので、500ml入りのを一つ買う。

これは後日撮った写真だけど、280千ドン(約1400円)。これだけ買ったら1年以上持つだろう。

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帰ろうとしたら人なつっこい白黒ワンコが名残惜しそうに寄ってきたので、わちゃわちゃして撫でて、バイバイしてあげた。おじさんとお子さんにもバイバイ。

もう夕方だったのでミツバチは見せてもらわなかったけど、もう少し時間があったら養蜂の様子を見せてもらえると思います。

ところで、ハチミツをリットル単位で買うという発想がなかったので、後で調べてみたら、ハチミツの比重は水の1.4倍だそうで、ということは100ml=140gである、ということになる。

ネット通販を調べたら、日本のハチミツは140g1400円とかで平気で売っている。ベトナムの5倍…。しかも、ミツバチは環境汚染のバロメーターというけれど、こっちの方が日本より環境はましに決まってるしね。

日本って本当に、質のいい食べ物を、安く、はもちろんのこと、手に入れること自体が難しい。

 

 

 

 

空港のセキュリティでは靴を脱ぐ・その4(大晦日)~2017年12月ベトナム

2017年12月31日大晦日。フーコック島はリゾート地なので、近場のビーチに行く。夏よりは穏やかで海も澄んでいた。ただ、ここは、観光地の海水浴場といった位置づけのビーチであり、観光客も多いので、さすがに魚は見かけなかった。

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茶色い砂浜のビーチである。冬なので、水温は比較的低く、上がると少し肌寒い。暑がりの人なら大丈夫だと思われる。

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夜は海鮮を食べに行く。観光客も多い店だし、海鮮はベトナムでも比較的高価なのだけど、さすがに大晦日で、ベトナム人のグループが沢山来ていた。お店はもうずっと満席。本番はテトのお正月だろうけど、ベトナム人は西洋暦の大晦日のお休みは友達グループや家族で外食するのね、と思った。

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折角なのでカウントダウンのイベントに行こうかなと考え、近くを散歩する。

これはお寺(Dinh Cậu)。ただし、極彩色の虹色のイルミネーションが点滅してて、日本人の考えるお寺とちょっと考え方が違うように思う。ちょっとこんもりした山のようになっていて、元々はここが岬の突端だったのだろう。

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お寺の先には、堤防があるのだけど、大晦日だからか、堤防の上には屋台や飲み物を売る店が出、さらにその先では、ベトナム人の沢山のグループが、ビニールシートを引いた上で車座になり、それぞれカラオケ大会を開いていた。日本の花見のようである。

隣り合わせのグループは結構近いのだが、お互い、お構いなしに歌を絶叫。失礼ながらわりと音痴…である。カラオケの機械は結構大きいのだけど、歌詞カードは各人のスマホに表示されるハイテクである。堤防の入口には沢山のバイクが停めてあったが、あのカラオケ機械、バイクにくくりつけて持って来たのだろうか?

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夜市を冷やかしていたら、ここもカラオケ大会である。

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この時点で午後10時30分。時差の影響で体内時間は午前0時30分だから、既に眠くなってきた。しかも、様子を見ていても酔っ払いしかいないので、だんだんカウントダウンはどうでもよくなり、宿まで歩いて戻って来たら新年おめでとう時間になった。

それにしても、前回ベトナムを回ったときはベトナム人がカラオケ好きという認識は全くなかったのだが、翌日少し自転車で走ったら、ローカルな家からも昼から大音響でカラオケをやっているのが聞こえてきたので、本当にみんなカラオケが好きなのだ、ということを今回初めて知った。

ただ、ツイッターでも言われていたけど、確かに、聞こえてくるカラオケの声は、男性が多かった(上の夜市のカラオケでは若い女の子グループが歌っていたけど)。どうしてなのだろう。家だったら、女性は宴会の準備や片付けに追われているというのはわかるのだけど、外での宴会でも女性があまり歌わないということは、女性が歌うのははしたないって位置づけなのだろうか。ベトナムにおける女性の地位がどんなものなのか、ちょっと気になる事象ではあった。