中国の国内を移動するときの注意点 超初心者編2【各論・空港編】(雲南省を例に)

総論に続き各論です。

まずは難易度の高い空港について。

空港での注意点

最も難易度の高い、空港での注意点です。

まず、空港のようなところは、中国でも混雑する典型的な場所ですので、何もするにも並んで時間が取られるものだ、ということを頭に入れておくとよいでしょう。

あとは、基本的に他の国の空港とやることは変わらないのですが、中国はちょっと変わっている点があります。

チェックインと荷物預け入れ時

前の記事で述べたとおり、香港・マカオ・台湾人を除く外国人は自動チェックイン機が使えないので、チェックインカウンターでチェックインと同時に預け入れ荷物を預けます。当然、ウェブチェックインみたいなサービスはありませんので、自動チェックインやウェブチェックインができる空港よりは時間を取られることになります。

それと、私が今回経験したように、預け入れ荷物がセキュリティ・チェックに引っかかることもあります(後で述べます)。

私の例を具体的に書いてみます。

今回、私は、昆明から麗江まで深圳航空を利用したのですが(事前にCtripで予約)、専門カウンターはなく、他の複数の航空会社のカウンターと統合されたカウンターでしたので、空港に着いた段階でお客さんが長蛇の列でした。

カウンターの手前には自動チェックイン機が何台か設置されていて、付近の看板に英語で「乗客はあらかじめ自動チェックイン機でチェックインをせよ」と書いてあり、中国の方はIDカードを使ってどんどんチェックインしていきます。そこで、「チェックイン機が使えるのかな?」と思い、使ってみようとしたのですが、日本のパスポートは自動チェックイン機に認識されず、使えません。近くにいた空港職員に確認したところ、直接カウンターに行くようにとのこと。まず、「外国人は自動チェックイン機ではチェックインできない」ことを確認するのに時間を取られました。

そこで、長蛇の列に並び、カウンターでチェックインはできたのですが、カウンター職員から、パスポートとチケットを渡して貰えないまま、荷物タグを渡されました。何かをしないといけないようです。さっぱり意味が分からず、自動チェックイン機とカウンターの間をうろうろして人に聞きまくったところ、どうも荷物の中身がセキュリティに引っかかったようで、別の窓口(丁度チェックインカウンターと自動チェックイン機の間にあり、中に入ると私の荷物が置いてありました)に行って、その対応しなければならなかったのでした。

セキュリティ担当の職員からは、「ライター」と言われたのですが、私は喫煙しないのでライターを荷物に入れる筈がありません。「ライター、没有(めいよー)(ないよ)」と言って、引っかかった私の荷物=キャリーケースの中身を見せたのですが、それ以上職員から荷物を調べられることもなく、職員も「めいよー」と聞いた段階であまり関心もない様子。訳が分からず、頭を捻りながら元のカウンターにキャリーケースを持ち帰り、カウンター職員に「OK」と伝えて再度預け入れ。今度は大丈夫でした。X線検査で何かをライターと勘違いされたようです。通常、預け入れ荷物の中身がセキュリティに引っかかった場合、預け入れ窓口でもあるチェックインカウンターでキャリーケースを開けて問題の物品を出す筈ですが、別の場所で対応する今回のようなケースは初めてでした。

保安検査場でのセキュリティ・チェック時

機内持ち込み手荷物のセキュリティ・チェックの方法や、持ち込んではいけない荷物の内容は、他の国と殆ど同じです。

ただし、身体に対するチェックが他の国より厳しめです。一応ゲートは通りますが、ゲートで警告音が鳴るかどうかに拘わらず、全員が、金属探知機と職員の手によるボディチェックです。

私の場合、昆明に着いた日にそれまで履いていたスニーカーが壊れてしまい、以後、トレッキング用の分厚い靴で過ごしていたのですが、中国の空港のセキュリティ・チェックで分厚い靴は要チェック物件だったようで、結局、靴を脱ぐように言われて脱いだ靴をX線検査に通し、その間、私は椅子に座って足を上げ、職員が靴下の上から金属探知機でチェック、という念の入れ様でした(靴に何かを仕込む手口があるのか?まあベトナムの空港では全員が靴を脱ぐのですが)。

預け入れ荷物受け取り後

麗江三義空港の出口では、空港職員による預け入れ荷物のタグチェックがありました。ターンテーブルで預け入れ荷物を受け取った後も、荷物タグは捨てずに取って置いた方が良さそうです。ところで、このタグチェック、何故か昆明長水国際空港ではありませんでした。人が多すぎて混雑するからでしょうか。

ところで、昆明長水国際空港の国際便到着時には、「到着口から出る前」に、荷物全部をX線検査に通す必要がありました。もちろん、出発の香港で荷物は全部セキュリティ・チェックを受けているのですが。これも初めての経験でした。

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これは、昆明長水国際空港の国内線の保安検査場を通過してすぐの場所にある、花の店です。ほっとした気分で写真を撮ったのを覚えています。店では造花も売っていますが、生花や球根も売っています。昆明は花と果物、そして8月はキノコの溢れる街でした。空港でも生花や箱買いの果物を持ち込んでいる人を多く見かけました。ちょっと羨ましい。

 

中国の国内を移動するときの注意点 超初心者編1【総論】 (雲南省を例に)

2018年8月にマカオ・香港・中国の雲南省を旅しました。中国国内での宿泊日数は6泊で、雲南省の昆明・麗江間を空路と陸路で移動してきました。

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中国を私的に旅するのは初めてでしたが、これまで私が個人旅行で国内移動をしたことのある他のどの国(タイ・台湾・ベトナム)とも勝手が違っており、戸惑うことも度々でした。反面、中国は治安も良いし、大都市では公共交通機関が安く便利に利用でき、見所も多く、慣れればとても旅行しやすい国です。北京や上海ならともかく、地方都市ならまだまだ物価も安い。

そこで、今回、中国に行ってみたいけど勝手が分からない、という初心者に向けて、私の感じた注意点を記事にしてみることにしました。

だたし、以下はあくまでも2018年8月時点の雲南省における事情であることにご留意下さい。

もっとも、私が感じた点は、中国旅行に詳しい方の書いたものと比べてもそれほど違いがないようですので、ある程度一般性がある情報ではないかと思います。

中国国内を移動するときの注意点は…

中国国内を移動するときの注意点、それは…
充分に時間とお金の余裕をもって行動すること。

これに尽きます。

え、それだけ?外国旅行するなら当たり前やんかー。

…って思われたかも知れません。

しかし、中国での「余裕」は、通常の日本国内や他国での「余裕」とはレベルが違います。

慣れないうちや、空路など重要で手続に手間のかかる移動手段を利用する場合、通常、日本などで考えられる「余裕をもって」に、少なくとも1時間、できれば2時間を足して考えて欲しいところです。さらに、万一、飛行機や列車の乗り遅れ・遅延が発生した時に備えて、旅費予算はギリギリではなくて、これらの事態に遭遇した場合に余分にかかることが見込まれる、宿泊費や交通費も取っておいて下さい。

考えてもみて下さい。中国は日本の約26倍の面積、約10倍の人口を擁する広大な大国です。どこに行っても建物や施設が巨大です。しかも、それを凌駕する人の多さに圧倒されます。例えば、空港や駅などの施設内で、何かの窓口が分からなくなり、それを探さなければならなくなったとしたら(意外によく発生する局面です)。人混みの中、うろうろする距離や時間が長くなるのです。日本での何倍もの労力や時間がかかります。

次の写真は雲南省有数の観光地「石林」です。広い敷地ですが、これだけの観光客が殺到します。

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しかも、中国では、公共交通機関などの公共の場を利用する際、パスポートが必要になる場合が多くあります。外国人だからパスポートが必要なのではなく、サービスを利用する者全員にID(身分証明)が必要なのです。これらのIDが要求されるのは空港だけではありません。長距離列車や長距離バス、さらには有名観光地への入場においてすらも要求されることがあります。上の石林でもチケットを買うとき、入場するときの両方にパスポートが必要でした。

現在、中国人はICチップ入りのIDカードを持っていて、空港の自動チェックイン機や、駅の自動券売機でカードによるID認証を受けることができ、中国人に関しては手続が簡略化されつつありますが、外人はそういう訳にはいきません(但し、香港・マカオ・台湾人は可能なようです。詳細不明)。混み合って人が沢山並んでいる窓口に並ばなければならないことも度々です。

セキュリティ・チェックも大変厳しく、空港は当然のことながら、先に挙げた長距離列車や長距離バス、観光地への入場の他、MRTでも、荷物や身体のセキュリティ・チェックが必要です。唯一の例外は、1元とか2元で乗れる路線バスくらい。

券売機の不具合や人為的なミスなども考慮に入れておかなければなりません。中国では人によって仕事の出来不出来がはっきり分かれます。いい人に当たると順調に問題なく事が進みますが、駄目な人にかかるとミスがあったり、時間を取られたりするのです。それと、何か不具合があったときに、日本みたいにサービス提供者がペコペコ謝ってくれる、なんてことはないものと心得て下さい。また、中国人も、ちょっとやそっとの不具合や支障で文句を言ったり騒いだりしません。辛抱強く列に並びます。人の力ではどうしようもないことに対して騒いでも仕方がないのです。「中国人は気が長い」と言われている意味が分かった…。

あと、旅行者側の事情ですが、大抵の日本人は中国語は堪能でないでしょうけど、中国には英語が解る人が余りいません(日本語のできる人はもっといない)。いざという時は筆談ですので、やっぱり時間が掛かることになります。まあ、中国行くのは中国語がある程度できるようになってからにすべきだ、っていう考え方もあるのでしょうが、そんなこと言ってたら、いつまで経っても行けませんしね…。

長くなってきたので、各論は次回以降に。→各論・空港編 →各論・長距離鉄道とMRT編