アンコール遺跡群に行ってきた(2019年12月~2020年1月 カンボジア・ベトナム その1)

2019年12月27日から12月29日まで、カンボジアのシェムリアップに滞在して、アンコール遺跡群に行ってきました。

当初予定を立てたとき「まる3日シェムリアップ」だったのでですが、正直、「アンコールワット見るだけでしょ?そんなに必要かな…」と考えていました。実際に行ってみたら違った。

アンコール遺跡群、なめてました。

3日間じゃ全然足りなーい!

その理由…

まず、「アンコール遺跡群」とされている遺跡は無数にあり(というのは大げさかもしれませんが、物の本には数百と書いてある)、しかも広い地区に点在しています。

今回、移動に利用したレンタル電動バイクの店(機会があれば、この店についても書きます)からもらった地図を見ても、ぱっと見、7~8キロメートル四方に主要遺跡が散らばっています。

比較的シェムリアップの中心街に近いアンコールワットまででも、距離にして中止街から約7kmであり、トゥクトゥクや車を使っても中心街からアンコールワットまで20~30分はかかります。そのうえ、アンコールワットから先にも、数々の有名遺跡を含め、たくさんの遺跡が広い地域に点在している訳です。

アンコール遺跡群の周遊コースとして、一般的には、

・1日目 小回りコース(Small circuit)

・2日目 大回りコース(Big circuit)

で大体回れるということになっていますが、実際にやってみると、とてもじゃないけど回りきれません。

それぞれの遺跡自体に特徴があり、美しくて芸術性も高く、年月による崩壊や変化も含め、見て楽しめる遺跡群ですので、じっくり見ようとしたら時間がかかるんです。もちろん、車を使ってツアーガイド付きで効率良く回る、という手もあるにはありますが、多分普通の人だったら情報量過多で集中力が切れるのではないかと思います(え、私だけ?)。ささっと有名遺跡を回って写真を撮るだけじゃ勿体ないですよね。

あと、午前中は比較的涼しいですが、午後になると、一年で最も涼しい季節に当たる12月でも30℃前後に気温が上がり、暑くてバテます。

そうそう、遺跡によっては足元が悪かったり(ほら、建造物が崩壊していたりしますので…)、階段で昇降しなければならない遺跡も多いのです。暑くて運動量が多いので、体力を消耗します。

しかも、昨今は世界的な旅行ブーム、特に中国本土の人たちの旅行ブームで、アンコール遺跡群にも本当に沢山の観光客が来ています。特に午後(昼過ぎ)は、大型バスで遺跡に乗り付けてくる人が多くなりますので、暑い・人が多い午後(昼過ぎ)は避けた方が無難でしょう。

正午前後を避けたとしても、日没・日の出の時間、遺跡群は昼間とはまた違う様相を見せてくれますので、日没や日の出と場所を選んで出かけていると、予想以上に相当忙しくなります。

そして、以上書いてきたように、自分のペースで回るためには、レンタルバイクかレンタル電動バイクといった足があった方が絶対いいですね。ちなみに、自転車で回っている人も見かけますが、距離がかなりあるので、よほど脚力に自信のある方以外、お勧めしません。

ということで、アンコール遺跡群に行くときは、時間に余裕を持って行きましょう(理想はまる3日以上~)。

※アンコール遺跡群入場は有料で、チケットを買う場所も決まっていますので、その点についても注意してくださいね。2019年12月現在、アンコール遺跡入場料は、1日券37ドル、3日券62ドル、7日券72ドルです(いずれも米ドル。カンボジアでは、「リエル」という独自通貨もありますが、広く米ドルが使われています)。

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一番気に入ったバイヨン遺跡 双面(ふたおもて)と命名。

2度目の韓国 その7・2019年10月ソウル・全州(全州旅行)

今回の旅行では、2019年10月21日(月曜日)に、ソウルから日帰りで朝鮮半島南西部、全羅北道に位置する全州(전주/チョンジュ)に行ってきました。

全州は、三国時代には百済の都のあった由緒ある街であり、山岳地帯の多い朝鮮半島にあっては珍しく肥沃な穀倉地帯の盆地にあることから、美食の街として知られています。

日本では、TVドラマ「孤独のグルメ」のロケ地となったことから、一躍有名になったようです。私もビビンバ食べたいー。

ということで、行きはこの間記事に書いたように(2度目の韓国 その6・2019年10月ソウル・全州(ソウ ル-全州間の交通手段))、長距離バスを使い、全州に到着すると丁度昼過ぎ頃なのでお昼にビビンバでも……と考えていたのですが、行こうと思っていた全州ビビンバの店、平日昼にもかかわらず外で待っているお客さんで長蛇の列。さすがは有名店。別の店に行ってもいいのだけど、ビビンバの店はどこも有名店だしなー、と全州韓屋村へ。

まずは慶基殿

全州韓屋村は、古い街並みを保存して観光地化している場所で、韓国には同じように、ソウルの北村韓屋村など、有名な場所がいくつかあります。ここもその一つです。

まずは韓屋村に入ってすぐのところの慶基殿(キョンギジョン)へ。

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物の本によれば、慶基殿は朝鮮王朝の始祖である太祖李成桂(イ・ソンゲ)の肖像画を奉安するために建築されたもの。初代の慶基殿は文禄・慶長の役の時に焼失したそうですが、その後再建された建物もなかなか古式ゆかしい建物。庭園も立派なため、数々の歴史ドラマや映画のロケ地にもなっているそうな。

確かに、すごく風情がある…

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のですが、韓服コスプレの観光客で大混雑。この日、月曜日でっせ。人出を避けて平日昼にやってきたのですが、本当に内外の観光客に人気があるのですね。

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上の写真は、映画「王になった男」のロケ地になった場所だと思いますが、なんと撮影の順番待ちをしています。所謂、インスタポイントってやつでしょうか?

順番待ちまでして撮る気もしないので、全然知らない他のカップルを撮ってみます。

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「王になった男」、主演のイ・ビョンホンssiがここから登場するシーンがあったはず。

しかし、韓国の歴史ドラマを見ていても思ったけど、朝鮮半島の宮殿って築地が低いですね。基本、文民国家だったからかしら。

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慶基殿を出て、右向かい側の全州殿洞聖堂も…

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どわっ。このとおり。コスプレ撮影の観光客で溢れています。観光客にやや食傷気味…。

この協会、ここで殉教した人を称えて建築されたマジメな信仰の場所なんですけどね。まあ観光地の入口目立つ位置にあるから仕方がないですかね。

韓屋村散策

お目当ての店で、無事、遅いビビンバの昼食を撮った後、再び韓屋村を散策。

韓屋村、思っていた以上に小ぎれいで、個人的には日本でいうと旧軽井沢銀座みたいな印象を受けました。古い伝統家屋(韓屋)が改装されて、レストランやカフェ、ホームステイの宿屋になっています。

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中でも印象的なのが、さっきから沢山見かける韓服の人々がお世話になっているはずの貸衣装屋。韓屋村のあちこちにありました。

ソウルの景福宮でも、入場料が無料になることもあって、盛んに外国人の観光客が韓服のコスプレで観光していましたが、ここ全州韓屋村ではコスプレ割合が多いような気がします。それも、老若男女問わず、また性別を問わず皆さん楽しまれています。中には、カップルで女性が(本来)男性用の韓服、男性が女性用の韓服っていうのも見かけました。楽しそうでいいですねー。

日本でもニューキモノみたいなので古都を楽しもう!みたいなのもっとやったら、インバウンドの観光客がもっと来るんじゃないですかね。私が知らないだけかな。いや、来て欲しくないんでしょうか。そういえば、歌舞伎座で若い人が着物を着ていると、怖いおばさま方に注意されて着物を着るのが怖くなった、っていう話を聞いたことがあります。こんな「着物警察」みたいなことやっても、誰も得しないのにね。日本の伝統文化は、お高くとまって実際にコストも高くて、その内滅びるんじゃないですかね。

…って本題に関係ないところでネガティブになりすぎました。

伝統衣装じゃなくて、こういうレトロ調の貸衣装も人気があるようでした。

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えっ私?私が着るとしたら王様の衣装がいいですね。赤くて胸に丸く龍が描いてあるやつ。ちょーなー(韓国語で「陛下」の意味)

こう書いていくと、全州韓屋村、観光地っぽ過ぎてイマイチな印象がするかもしれませんが、街はきれいですよ。春の花や、秋の紅葉シーズンなどは美しいのではないでしょうか。10月下旬はそれほど紅葉していませんでしたが、散策にはよい気候でした。

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結論からいえば、全州はやっぱり一泊すべき

この後、帰りのKTX(高速鉄道)の時間が近づいてきたため、散策はこの程度で終了。

韓屋村近くのマッコリタウンで早めの夕食を取ったのですが、遅めの昼食(ビビンバなのでボリュームたっぷり)を取った後の早めの夕食、正直きつかったです…。しかもマッコリタウンのシステムは、定額を払うと、ヤカン入りのマッコリに、食べきれないくらいの量のおかずが出てくるのが特徴です。食べるの無理。ま、マッコリタウンの風情を味わうのが主眼ってことで。

全州は、やっぱり一泊はした方がいいですね。荷物を持ち歩くのが若干めんどいが。

全州旅行の理想的なプランとしては、まず、一泊して、その日の晩にマッコリタウンで食べる。私が行った韓屋村の傍の店だけではなく、少し離れた場所にも何カ所かあります。韓屋村の近くの店はお勧めしません。他の店の方が美味しそう。写真を見ている限りですが。

で、次の日の朝は市場でコンナムルクッパ(全州名物の豆もやしのクッパ)を食べて、午前中から韓屋村を観光して、昼ビビンバ。ビビンバは混む時間は避け、早めか遅めに食べて、そして午後は観光するもよし、早めに帰るのもよし。

こんな感じが理想的かな。全州、食べるものも見るところも一杯ありました。やはり、日帰りにはちょっと無理があった気がする。ただ、次、もし全州に来ることがあったら、食レポに徹する他ないかも。それほどに美食の街みたいですよ。

おまけ

夜の全州駅。ライトアップが美しい。美的センスを感じます。

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2度目の韓国 その6・2019年10月ソウル・全州(ソウル-全州間の交通手段)

コンパクトな国土に端から端まで公共交通機関で移動しても片道4時間と言われている、交通の利便性の高い国、韓国。

今回、全部で4泊5日の旅のうち、1日ソウルから全州まで日帰り旅行したのですが、行きは高速バス、帰りはKTX(韓国の高速鉄道)を利用しました。

価格を重視して節約をしたければ高速バス、往復の時間を節約したければKTXなのは明らかですが、単純に両方乗ってみたかったのと、泊まったホテルがソウル駅近くだったので、帰りは到着が遅くなりますし、疲れているだろうことは容易に予想できるので、行きはバス、帰りは終点がソウル駅になるKTXにしました。高速バスターミナルは、ソウル駅側ではなくて漢江の南側江南地区、帰りにバスターミナルに着いてから、また最寄りの地下鉄・高速ターミナル駅を使って宿泊施設まで地下鉄で帰らなければなりません。それには20分はかかってしまうのですね。

ということで、ここでは、メモ的に、ソウルから韓国各地に行く交通手段の2つ、高速バスとKTXを、ソウル-全州を例にして、簡単に比較してみました。

高速バスの旅

高速バスのチケットの購入方法(Webサイトは携帯電話番号がないと予約できませんでした…)

Webで調べると、モバイル端末でバスの座席を予約できるらしいのですが、予約をしようとすると、韓国内で有効な携帯電話番号が必要なことが判明(2019年10月現在)。今回は、日本から通話機能なしのSIMを調達して持参したため、ツーリストSIMの携帯電話番号で予約できるかどうかは試していません。

バスターミナルでチケットを購入

という訳で、10月21日(月)の旅行のために、前日20日(日)にバスターミナルへ。

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地下鉄高速ターミナル駅で降りて、全州行きの高速バスが出発するセントラルバスターミナルの券売機でチケットを予約します。券売機では座席の配置を見ながら席が選べて便利。

1つ下のクラスでも大して値段が変わらなかったので、エクセレントを購入。ソウルから全州まで片道22,000ウォン(約2000円)。一般や優等にすればもっと安く移動できます。

高速バスの乗り心地

しかし、乗ってみるとこのエクセレント席、めっちゃいい!

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座席は2:1の配置。座席のリクライニングも旅客機のビジネスクラスみたいに、後ろの座席の領域を圧迫しないでリクライニングできるタイプです。殆ど水平にしてベッドのようにも使えます。

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カーテンもあって、プライバシー確保。

朝ごはんのキムパップを食べるのも楽々。

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USBの充電コネクタもあります。ただし何故かWi-Fiサービスはなかった。

1回のトイレ休憩をはさんで約2時間40分で全州に到着。寝ているうちに到着するので、コンジョなしの私にはぴったりです。めちゃくちゃ楽でした。

KTX(韓国高速鉄道)の旅

KTXのチケット購入方法

KTXのチケットは、事前に日本でWebサイトから予約しておきました。もちろん、クレジットカードでの支払いOKです。ソウルから全州まで片道34,600ウォン(約3200円)。高速鉄道なので当然バスよりは高い運賃。とはいえ、安いな~。ソウルから全州まで1時間40分くらいだから、東京から名古屋まで新幹線で行くのと同じくらいの時間ですが、日本の新幹線で東京から名古屋まで行ったら運賃が1万円超えますもんね。高い!ソウルも昨今は東京と殆ど物価は変わりませんが、公共交通機関の料金は本当に安いです。

日本でWeb予約した画面をプリントアウトして韓国まで持参したけど、全州駅では改札すらなく、時間が来たら駅の中に入って列車に乗るだけ。そういえば列車内の検札もなかった。聞くところによると、韓国のKTXは座席と乗客を電子的にチェックできるシステムが完成したので、検札は不要になっているのだとか。進んでる~。

KTXの乗り心地

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上は全州駅のホームです。

KTXの乗り心地ですが、日本の新幹線と同じような座席(普通席)なので、正直、バス(ただしエクセレント)の方が楽(笑)。

充電プラグはありましたが、コンセント方式が3つの穴のSE方式(たぶん)なので、日本から持ってきたプラグは使えません。

Wi-Fiサービスはありました(但しちょっと遅かった)。

ま、でも、全州駅からソウル駅までの乗車時間は1時間40分くらいですので。すぐにソウルです。

まとめ

正直、高速バスはとても楽だし気に入った(ただしエクセレントに限る)。時間があって、江南付近に宿を取った方にはお勧めですね。正直、ソウル駅近くのホテルからセントラルバスターミナルまで行くのがめんどい。

ちゃっちゃと移動したければKTXに限りますね。

ま、バスにしてもKTXにしても、とても使いやすくて便利で、いかにも、「パリパリ(早く早く)」が好きで面倒なのが嫌いな韓国の方のニーズに合ってそうな、合理的なシステムだと思いました。

とにかく、移動の費用の標準が日本より安い上に、予算に応じて選べますしね。韓国国内の移動が便利で安いのは、本当に韓国旅行の魅力の一つですね。

 

(おまけ)

そんなこんなで、20日(日)は、バスのチケットを予約しに江南に行ったり、ソウル駅近くのロッテマートでお土産の買い物をしたりしていたので、ろくな観光をしてまへん。昼食べたカンジャンケジャンの画像置いときます。

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