今回の旅行では、2019年10月21日(月曜日)に、ソウルから日帰りで朝鮮半島南西部、全羅北道に位置する全州(전주/チョンジュ)に行ってきました。
全州は、三国時代には百済の都のあった由緒ある街であり、山岳地帯の多い朝鮮半島にあっては珍しく肥沃な穀倉地帯の盆地にあることから、美食の街として知られています。
日本では、TVドラマ「孤独のグルメ」のロケ地となったことから、一躍有名になったようです。私もビビンバ食べたいー。
ということで、行きはこの間記事に書いたように(2度目の韓国 その6・2019年10月ソウル・全州(ソウ ル-全州間の交通手段))、長距離バスを使い、全州に到着すると丁度昼過ぎ頃なのでお昼にビビンバでも……と考えていたのですが、行こうと思っていた全州ビビンバの店、平日昼にもかかわらず外で待っているお客さんで長蛇の列。さすがは有名店。別の店に行ってもいいのだけど、ビビンバの店はどこも有名店だしなー、と全州韓屋村へ。
まずは慶基殿
全州韓屋村は、古い街並みを保存して観光地化している場所で、韓国には同じように、ソウルの北村韓屋村など、有名な場所がいくつかあります。ここもその一つです。
まずは韓屋村に入ってすぐのところの慶基殿(キョンギジョン)へ。
物の本によれば、慶基殿は朝鮮王朝の始祖である太祖李成桂(イ・ソンゲ)の肖像画を奉安するために建築されたもの。初代の慶基殿は文禄・慶長の役の時に焼失したそうですが、その後再建された建物もなかなか古式ゆかしい建物。庭園も立派なため、数々の歴史ドラマや映画のロケ地にもなっているそうな。
確かに、すごく風情がある…
のですが、韓服コスプレの観光客で大混雑。この日、月曜日でっせ。人出を避けて平日昼にやってきたのですが、本当に内外の観光客に人気があるのですね。
上の写真は、映画「王になった男」のロケ地になった場所だと思いますが、なんと撮影の順番待ちをしています。所謂、インスタポイントってやつでしょうか?
順番待ちまでして撮る気もしないので、全然知らない他のカップルを撮ってみます。
「王になった男」、主演のイ・ビョンホンssiがここから登場するシーンがあったはず。
しかし、韓国の歴史ドラマを見ていても思ったけど、朝鮮半島の宮殿って築地が低いですね。基本、文民国家だったからかしら。
慶基殿を出て、右向かい側の全州殿洞聖堂も…
どわっ。このとおり。コスプレ撮影の観光客で溢れています。観光客にやや食傷気味…。
この協会、ここで殉教した人を称えて建築されたマジメな信仰の場所なんですけどね。まあ観光地の入口目立つ位置にあるから仕方がないですかね。
韓屋村散策
お目当ての店で、無事、遅いビビンバの昼食を撮った後、再び韓屋村を散策。
韓屋村、思っていた以上に小ぎれいで、個人的には日本でいうと旧軽井沢銀座みたいな印象を受けました。古い伝統家屋(韓屋)が改装されて、レストランやカフェ、ホームステイの宿屋になっています。
中でも印象的なのが、さっきから沢山見かける韓服の人々がお世話になっているはずの貸衣装屋。韓屋村のあちこちにありました。
ソウルの景福宮でも、入場料が無料になることもあって、盛んに外国人の観光客が韓服のコスプレで観光していましたが、ここ全州韓屋村ではコスプレ割合が多いような気がします。それも、老若男女問わず、また性別を問わず皆さん楽しまれています。中には、カップルで女性が(本来)男性用の韓服、男性が女性用の韓服っていうのも見かけました。楽しそうでいいですねー。
日本でもニューキモノみたいなので古都を楽しもう!みたいなのもっとやったら、インバウンドの観光客がもっと来るんじゃないですかね。私が知らないだけかな。いや、来て欲しくないんでしょうか。そういえば、歌舞伎座で若い人が着物を着ていると、怖いおばさま方に注意されて着物を着るのが怖くなった、っていう話を聞いたことがあります。こんな「着物警察」みたいなことやっても、誰も得しないのにね。日本の伝統文化は、お高くとまって実際にコストも高くて、その内滅びるんじゃないですかね。
…って本題に関係ないところでネガティブになりすぎました。
伝統衣装じゃなくて、こういうレトロ調の貸衣装も人気があるようでした。
えっ私?私が着るとしたら王様の衣装がいいですね。赤くて胸に丸く龍が描いてあるやつ。ちょーなー(韓国語で「陛下」の意味)
こう書いていくと、全州韓屋村、観光地っぽ過ぎてイマイチな印象がするかもしれませんが、街はきれいですよ。春の花や、秋の紅葉シーズンなどは美しいのではないでしょうか。10月下旬はそれほど紅葉していませんでしたが、散策にはよい気候でした。
結論からいえば、全州はやっぱり一泊すべき
この後、帰りのKTX(高速鉄道)の時間が近づいてきたため、散策はこの程度で終了。
韓屋村近くのマッコリタウンで早めの夕食を取ったのですが、遅めの昼食(ビビンバなのでボリュームたっぷり)を取った後の早めの夕食、正直きつかったです…。しかもマッコリタウンのシステムは、定額を払うと、ヤカン入りのマッコリに、食べきれないくらいの量のおかずが出てくるのが特徴です。食べるの無理。ま、マッコリタウンの風情を味わうのが主眼ってことで。
全州は、やっぱり一泊はした方がいいですね。荷物を持ち歩くのが若干めんどいが。
全州旅行の理想的なプランとしては、まず、一泊して、その日の晩にマッコリタウンで食べる。私が行った韓屋村の傍の店だけではなく、少し離れた場所にも何カ所かあります。韓屋村の近くの店はお勧めしません。他の店の方が美味しそう。写真を見ている限りですが。
で、次の日の朝は市場でコンナムルクッパ(全州名物の豆もやしのクッパ)を食べて、午前中から韓屋村を観光して、昼ビビンバ。ビビンバは混む時間は避け、早めか遅めに食べて、そして午後は観光するもよし、早めに帰るのもよし。
こんな感じが理想的かな。全州、食べるものも見るところも一杯ありました。やはり、日帰りにはちょっと無理があった気がする。ただ、次、もし全州に来ることがあったら、食レポに徹する他ないかも。それほどに美食の街みたいですよ。
おまけ
夜の全州駅。ライトアップが美しい。美的センスを感じます。
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