麗江から大理経由で昆明へ~2018年8月マカオ・香港・雲南省旅行 その9

今回の旅行の日程

8月8日(水) 羽田発-香港国際空港経由でマカオへ マカオ泊

8月9日(木) マカオ泊

8月10日(金) マカオからフェリーで香港へ 香港泊

8月11日(土) 香港から中国・雲南省昆明へ 昆明泊

8月12日(日) 昆明から空路で麗江へ 麗江泊

8月13日(月) 麗江泊

8月14日(火) 麗江から大理経由で昆明へ 昆明泊←今ここ!

8月15日(水) 昆明泊

8月16日(木) 昆明泊

8月17日(金) 昆明から香港へ 香港泊

8月18日(土) 香港国際空港から空路で羽田帰着

 

この日は午前9時03分麗江駅発の在来線特急のチケットを予約していたので、宿に午前7時半の車を予約してもらっていた。ベトナムなんかでもそうだが、こういう宿が手配する車は、今やタクシーじゃなくGrabみたいな配車アプリサービスで呼んでいる。中国にも「滴滴」ほか幾つかのサービスがあるようだが、外人は使えない。

兄2には前の日、「麗江駅までは30分もあれば行けます。」って言われたのだが、中国に入ってからエラーが多すぎるし、駅で手荷物検査があるのも知っていたし、予約したチケットを駅で発券しないといけなかったしで用心して早めの時間で予約してもらった。

麗江古城には自動車が入れないので、兄4(この宿のスタッフ構成についてはこちらの記事で説明した)が待ち合わせ場所まで送ってくれる。

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このナシ族の街とも今日でお別れだ。

麗江駅に着いた。

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で、でかい。

中国を回っていると本当に施設の巨大さに圧倒される。てか、日本が島国で、せせこましいだけか。

車は50元だったが、100元札を出すと、運転手のお兄さんがお釣りがないという。そっか、QRコード決済が主流だもんね…。

「あの店で買ってお金を崩すといいよ。」と言われたのがこちらの屋台。

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油で焼いたパンで玉子や野菜を巻いた軽食「手抓餅」、1つ6元。これでお金を崩すことができた。

予約していたチケットが無事発券できたので、売店を冷やかして飲み物を買って駅に入る。さっきも言ったとおり、手荷物のX線検査と簡単なボディ・チェックがある。金属探知機を軽く身体にかざす程度。

さっきの手抓餅と

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茉莉花茶。甘いお茶だけど甘さが控えめなので、飲みやすい。

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ボケボケだが、麗江駅の待合の雰囲気が分かる写真がこれくらいしかなかったので。「待合」ゆーても、これも超巨大なんですが。時間が来ないと乗客はプラットフォームに入れて貰えないのである。

待合で食事をしていると、近くのおじさんが手をブラブラ振りながら奇妙な動作を始めた。どうも、このおじさんの朝の日課の体操らしい。あまりジロジロ見るのも悪いのでよく見てなかったが、頭のマッサージ体操から始まるようである。まー日本から来たので、うっかりこういうのを見てしまうと、ちょっと吃驚するが、別に誰に迷惑を掛けている訳じゃないし、おじさんが奇妙な動きをしても、誰も全く気にしていない。

そのうち、何かアナウンスが始まると、人がゾロゾロ入口に向かい始める。乗客がプラットフォームに入れる時間になったのだ。ゾロゾロの人の数も日本とは桁が違う。この在来線特急、18両編成なのである。

私はちょっと良い座席の「軟座」を予約したが、行ってみると「軟座」は寝台特急の二段組みベッドの下のベッドが座席になっているのだった。だから個室で向かい合わせ。

個室に行くと、先客のおじさんが1人いる。…が出て行った。混まない内に、キャリーケースは二段組みベッドの上に載せてしまう。

さて個室の相席のお客も揃って、列車が出発したのだけど、その後も様子がおかしい。何だか個室のお客が入れ替わるのだ。向かい側に子供3人。日本の「ずいずいずっころばし」みたいな手遊びをして楽しそうにしている。微笑ましく見ていたが、暫くすると出ていってしまう。入れ替わりに若い女子2名。自由席もあるし、個室の外に立っている人もいるし、どういうシステムになってるんだろう。最後まで解らなかった。

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女子2名は暫くおしゃべりしていたが、その内、タブレットで中国の歴史浪漫ドラマを見始めた。2人で見るので、勿論イヤホンはしてなくて、タブレットから音が出ている。さすがに音量は控えめにはしていたが。

こちらは、個室から通路側に向かって眺めた車窓の風景。写真には写ってないけど、通路に補助席のようなものがあり、そこにも人が座っていた。

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雨模様で煙っていて、あまり外の景色は見えなかったのだが、周囲の人の振る舞いが面白すぎて、次、またなんかあるんじゃないかと思ってしまい、寝る気にもならない。まあ所詮2時間の列車の旅である。

予定どおり、午前11時頃に大理駅に着いた。

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午後4時52分発の昆明行きの高速鉄道を予約してあったので、大理で観光をしようと考えていた。

ところが、混み合う駅の手荷物預かり所に荷物を預けた後、高速鉄道のチケットを発券する場所がさっぱり分からなくてウロウロしてしまい、時間を取られてしまった(何がどう分からなかったのはこっちの記事に書いた→中国の国内を移動するときの注意点 超初心者編3【各論・長距離鉄道とMRT編】)。あ、ちなみに手荷物預かり所では全く英語通じません。係員から容赦なく中国語で何事かわあわあ言われたのだけど、全く分からなかったので、紙に書いて貰って筆談で済ませた。

もう、とうに正午を回っていたので、とりあえず駅前の店で食事をする。

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10元のチャーハンでどうかなーと思ったたけど、割といけます。お米が美味しい。ちょっとハムがしょっぱかったけど、ちゃんとした中華ハム。そういえば雲南省は中国の三大中華ハムの産地なのだった。

店を出たら、雨が急にザーッと降ってきた。時間を無駄にしたので、あまり余裕がない。有名な大理の三塔まで、バスで1時間以上かかってしまうので、タクシーを捕まえて行くことにしようとしたのだが、タクシーの兄ちゃん、「大理の三塔に行っても見るだけの時間しかないし、余り面白くないです。時間がないんだったら白族の王様の家に行きませんか?ショーも見ることが出来ます。」とスマホの翻訳で提案。商魂たくましい。

まー確かに、三塔みたいな絵ハガキになっているような名所は、大概、高額の入場料を支払い、「あーはいはいこれがあの○○ね。」っていうだけの場所が多い。時間もないし、兄ちゃんの提案に乗ることにした。

連れて行かれたのは「大理張家花園(大理张家花园)」。

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要は、白族風建築の建物群と庭園なのだが、庭は前日に行った茶馬古道博物館の方が良かったし、うーん、もしかしてハズレ?池からスモーク出てるし……。なんで中国の観光地って過剰にピカピカにしてライトアップやスモーク焚くんだろう…。

それでもショーはお客さんで盛況でした。

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踊りの後は書道のショーがあった。中国だなー。

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……もう帰る。

タクシー兄ちゃんは「まだ少し時間があるので、お茶を飲める場所に案内したい。」って言ってたけど、麗江の宿で飲んだお茶のクオリティを上回ることは期待できないし、兄ちゃんのマージン商売にも付き合い切れないので、大理駅に戻ってもらった。

高速鉄道の時間まで、少し余裕があった。改札を済ませ、駅の中に入ったらカフェがあったので、カフェラテを買って飲んだけど………まずい。てか、これ、ただの、インスタントの粉を溶いた甘いやつやんかー。やっぱり中国は、どこまで行ってもカフェ文化じゃなくてお茶文化なのだった。雲南コーヒーがあるからって期待した私がバカでした。

さて、雲南省の高速鉄道は「和諧号」という。「和諧」つまり「和解」なのである。いかにも多民族が調和して暮らしている雲南省らしい命名である。カッコイイ。

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大理から昆明までは高速鉄道で2時間弱の旅である。

ここまで書いてきて思いだしたが、雲南省の鉄道駅はどこもまだ、エレベーターやエスカレーターがなくてバリアフリーからはほど遠い。多分、本当に身体が不自由な人がいたら人力で助けるのだろう。すっと人民がしてきたように。

昆明駅に着いたら明るいけど、もう午後7時である。予約したホテルは駅の近くなので徒歩で向かう。駅近くは旅行客でごった返し、旅行客目当ての屋台でジャガイモの焼き芋や果物を売っている。

ホテルにチェックイン後、疲れたので手近な食堂に入る…がこれが大失敗。不味すぎる。何が不味いって、出された料理の味が全然しないのである。うちの中華風調味料で味付けして私が料理した方がよほどマシ。なんとか食べられたのはお米とトマトと玉子のスープだけだった。

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この店で出てきたビールのボトルである。ラベルが逆に貼られている…こんなことってある!?このラベルの向きが、この店で私がされた仕打ちの全てを物語っておる。

 

昆明の長い一日~2018年8月マカオ・香港・雲南省旅行 その5

今回の旅行の日程

8月8日(水) 羽田発-香港国際空港経由でマカオへ マカオ泊

8月9日(木) マカオ泊

8月10日(金) マカオからフェリーで香港へ 香港泊

8月11日(土) 香港から中国・雲南省昆明へ 昆明泊←今ここ!

8月12日(日) 昆明から空路で麗江へ 麗江泊

8月13日(月) 麗江泊

8月14日(火) 麗江から大理経由で昆明へ 昆明泊

8月15日(水) 昆明泊

8月16日(木) 昆明泊

8月17日(金) 昆明から香港へ 香港泊

8月18日(土) 香港国際空港から空路で羽田帰着

 

8月11日の出来事、続き。

思い起こせば8月11日の移動については、実は、日本にいるときから悪い予感がしていた。別に「第六感」で感じたとかそういう超能力で察知していた系の話ではなくて、よく当たると噂のWindy.comの予報で、香港付近をチェックしていたからである。

10日位前から香港付近を見ていると、11日頃に、広州市の南西の海上で風が小さな渦巻き状を呈していることがわかった。これは、台風ほど大きな規模ではないけど、熱帯低気圧のようなものが広州市の南西海上を発達して通過していくことを示している。いうまでもないことだけど、航空機での移動は台風や低気圧にはとても弱い。

しかもこの日は、香港から昆明まで国際便に乗ったあと、中国国内便(LCC)で昆明から麗江まで移動する予定になっていた。慣れない中国国内での移動で飛行機が遅れたら………。

香港国際空港にチェックインして保安検査場を通過し、出発ゲートまで到着したが、案の定、いきなり「出発20分遅れ」の表示である。

機内に案内され、機長より「交通渋滞で機長が遅刻した」旨の報告と謝罪があったが、その後、一向に飛び立つ気配がない。降り始めた雨の勢いが激しくなる。暫くして、再度、機長より2時間くらい出発が遅れるとの説明があった。麗江行きの飛行機に乗り遅れることが確定である。

そのうち、飛んでいないのに機内食が提供され始めた。客室乗務員に、鶏にするか、牛肉にするか訊かれたのだけど、言葉が英語ではなくて広東語である。「英語でお願いします」と伝える。もう、アウェー感満載である。

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機内食が撤収されると、ようやく離陸の準備が始まった。

昆明には、当初到着予定時刻の優に3時間は遅れて到着した。乗り換える予定の便はとっくに出てしまっている。乗り継ぎではなくてLCCへの乗り換えなので、何の配慮も期待できない。

昆明での入国審査は、これまで私の経験したどの国よりも厳しく、両手の指紋の全部採取と、顔写真の撮影だった。指紋採取は、設置されたモニターの指示に従って、機械のガラス盤の上に、まずは片手を左手の指をまとめて4本、そして右手の指を4本、次に左親指、そして右親指を押しつけ、下からの光で感知する方式だったが、両手の指それぞれ4本の指紋を採った所で、機械が先に進まなくなってしまった。入国審査官にめっちゃ怒られたが、中国語がさっぱり分からない。何かしなければならないのか、と一瞬うろたえたものの、入国審査を受ける側が何かできることは特にないようだった(今考えても、怒られただけで、私が何かしなければならないこと、できることは何もなかった筈)。結局、もう一度最初に戻って、今度は無事、最後まで終わった。多分、指紋採取の機械の感知能力の問題。

荷物をターンテーブルから取り上げ、出口から出ようとしたら、出口にも荷物用X線検査機が設置してある。これは申告する物品がある人だけだよね~とそのまま外に出ようとしたら、同じように検査機をスルーして出ようとした他の客が、係員に厳しく注意されている。出るときも機械に通さないといけないのか…。

ここまでで、既に、相当な疲労感を感じつつ(多分に精神的な物)、善後策を相談すべく、キャリーケースを引きずりながら巨大な昆明長水国際空港でキャセイ・ドラゴン航空のカウンターを探してさまよい歩く。

が。それらしきカウンターが全く見当たらない。案内掲示板を見ても、キャセイパシフィック航空やキャセイ・ドラゴン航空のカウンターが存在しないようなのである。えっ、定期便が香港から飛んでいるのに…?空港職員に確認しても、ない、という返事。というか空港職員の英語も危うい。空港なのに…。

11日中に麗江に行く飛行機も、午後11時発・深夜麗江着の便しか空きがない。もう昆明に泊まることが確定である。

日本で入ってきた旅行保険に、航空機遅延補償が付いていたので、対応を確認する。電話窓口では保険適応できるかどうかの判断までは付かないみたいだった。まあ、予想が付いたことだけど。

空港で座り込んでネットで空港の近くのホテルを検索したり、保険会社に電話したりしていると、空港も夕方から夜らしくなってきて、人の姿が少なくなってくる。お土産だと思われる、雲南省の少数民族が使う太鼓をリズミカルに叩きながら通り過ぎる人がいる。だだっ広い空港なので、遠くで鳴らす太鼓の音が心地良く反響するのだけど、この状況だと何だか、もの悲しい音色に聞こえる。

急に標高が高くて空気の薄いところに移動したためか、疲れのためか、段々頭痛がしてきた。

途中で空港のトイレに入ってみたけど、いわゆる洋式ではなくて、床に所在する金属製の平たいタイプである。順番待ちの人々は、あまり整然とは並んでいなかった。というより、「並ぶ」という概念がないような人の存在の仕方である。個室から外に出たら、おばあちゃんが大量のブドウを洗面台で洗っていた…。

ホテルは予約できたが、気が付いたら午後7時もとうに過ぎている。昆明は日が暮れるのが遅く、8月は午後7時過ぎでもまだ明るい。無難に空港で食事をすることにした。

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雲南省名物の米線である。

さて、食事も終わったので、予約したホテルに向かう。ホテルは送迎付らしいのだけど、よく分からないし、空港からは近い場所なので、タクシーで向かうことにする。

タクシー乗り場で順番を待ち、タクシーに乗り込んだ。が、行き先をスマホで見せると、運転手(ものすごいチリチリパーマのロングヘアのおばちゃん)が、何事かタクシー案内人のおじさん達にわめき始めた。多分「道が分からないわよ!外国人だし!」などと言っていたのだと思われる。仕方ないので、スマホに百度地図で経路を表示し、タクシーの案内人のおじさん達にスマホを渡して見て貰う。おじさん達がそれを吟味して協議した結果によれば、別に問題なく行ける場所のようだった。だって空港から近い筈だし。

少々不安を感じながら出発するも、道すがら、おばちゃんは高速道路の料金所の職員に道を尋ね(職員は、紫の制服[服とお揃いのベレー帽あり]姿の若い素敵女子だったけど、困惑気味。当たり前。)、通りすがりのお兄さんにも道を尋ね、もう迷走といっても過言ではない。途中、「もう私の手には負えん!」と、放り出されるかと思った。こんな道路しかない真っ暗な中国の田舎なのに、放り出されたらどうしよう。

さらに、おばちゃんは、間違った交差点を右折してしまったらしく、また、道行くおじさんに道を訊き、真っ暗な道を四角形に三回左折すると、ようやく目的地のホテルに着いた。てか、さっき右折せず真っ直ぐ行けばスムーズに目的地着けたやんかー。

ここまで約40分。料金は40元。50元札しかなかったので出すと「好的(はおだ)」と言って、お釣りはくれんかった。

言っとくけど、百度地図には経路案内機能が付いていて、それを使えば道を曲がる場所を音声で案内してくれる。カーナビとシステムはおんなじだ。なのに迷うってどういうこと?言葉ができるとかできないとかいう以前の問題だ。

中国に限らず、タクシー運転手はレベルが低いと思う。中国の場合は滴滴なんかと比べてもタクシーは料金が高いし、いいところない。

ホテルのチェックインは混雑し、カウンターの従業員は忙しそうだったけど、中に、少々英語ができる人がいたので何とか大丈夫だった。

部屋のあるフロアに上がると、空いている部屋のドアと窓、廊下の窓が、風通しのために全開にしてある。涼しい風が入ってくる。ここは標高1900メートル位ある筈だから、それまで滞在していたマカオや香港とは随分気候が違う。

荷物を置いて、飲み物を買いに外に出て、初めて、街の様子が分かった。ここはホテル街のような場所で、土産物屋が建ち並ぶ。何処かに似ていると思ったら、台湾の山奥の温泉街だった。台湾で売っていたのは山菜とキノコだったが、ここでは円盤形のプーアール茶が目立つ。

部屋に戻ったけど、部屋のトイレ、何故か、正面がガラス張りのスケスケである。洗面所とシャワールームは目隠ししてあるのに。洋式でもニーハオなのか。

こうやって、疲労困憊した昆明での1日が暮れていった。

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これはホテルの窓から撮った景色である。派手な電飾やなーと思って。隣は病院だった。