台湾に行ってきた その1~2018年7月台湾旅行(高雄・台北)

台湾に行ってきた。

日程は

7月13日(金) 羽田から台北経由で高雄へ 高雄泊←今ここ!

7月14日(土) 高雄泊

7月15日(日) 高雄泊

7月16日(月・祝) 高雄から台北へ 台北泊

7月17日(火) 台北から羽田へ 帰着

である。

詳細は言えないのだけど、懸賞が当たって航空券代がすごく安く済んだので、なるべくチケットを取りやすい平日を初日と最終日に当て、両日は休みを取って行ってきた。

いつものように台北松山空港のターンテーブルで荷物を受け取り、出国審査を済ませて外に出ると、微かに五香粉の匂いがする。ほっとして心が軽くなるのを感じる。

台湾も3回目となると様子がだいぶ分かってきて、到着口を出て右側には兆豊国際商業銀行があって、そう悪くないレートで両替ができるし、到着口の正面の中華電信のお姉さんは優秀でSIMを購入すると設定まで滞りなくやってくれることは分かっている。手元には前回使い残した台湾ドルが幾らか残っていて、これも前回チャージした分が残っている悠遊カードがある。悠遊カードを使ってMRTに乗る方法や、目的地に行くには何処で乗り換えたらいいかも分かっている。

だけど、ほっとするのはそれだけの理由ではない。

ここでは外国人だろうと自国人だろうと、人の様子を逐一チェックして何か落ち度があれば注意してやろうかという意地悪な人はいない。第一、みんなおしゃべりしているかスマホチェックに忙しいかで、他人のことに興味はそれほどない。でも、他人に冷淡かというとそんなことはなくて、お年寄りや怪我人にはMRTの座席を譲る。どんよりした顔色の灰色のサラリーマンの集団もいないし、台湾の人の地声は大きい方だけど、みんな楽しげで、何かに苛々して大声を挙げる中年男性はいない。MRTに乗り込む時、後ろから押してくる乗客もいない。そういうことも分かっているからだ。

高鐵に乗るために台北駅に行かなければならなかったので、MRTの松山機場駅から文湖線に乗り、忠孝復興駅で板南線に乗り換えた。

大きなキャリーケースを引っ張っているが、MRTの乗り換えは、通路も広々していて表示もわかりやすく、どのエスカレーターも登りと下りが一カ所にセットになっている(セットになっていない駅は、エレベーターが何処にあるかの表示がある)ので、全く問題がない。

東京の地下鉄みたいに、狭い通路を、上って・降りて・また上って…みたいな動作を繰り返させられることは全くない。トイレも広くて清潔で、安心して使える。

本当に、いちいちストレスが掛からない。

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乗り換えの台北駅に着いた。

ここは広々とした吹き抜けがあって、お洒落で本当に大好きな駅である。東京駅とその地下街みたいにゴチャゴチャしたところは全然なくて、駅の店舗数は東京駅より少ないと思われるが、必要十分なものが揃っている。

乗り換えまで少々時間が空いていたが、歩き回るには少し疲れたので、日本からネット予約した高鐵のチケットを発券し、高鐵に乗ってから食べるための台鐵便當(60元)とお茶を購入して、私も上の写真中央の階段に座って休むことにした。

ちなみに、この階段は、TVドラマの宣伝広告のために設置されていて、常設ではない。ここの台北駅の広場では、その時期によって様々な催しが開催されている。

座っていると、人々が皆、広場の床に座り込んで思い思いに過ごしているのが見える。

私が座ってから少し経つと、私の斜め後ろにおばさんが座って、私が買ったのと同じ台鐵便當を食べ始めた。

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目の前で、女子高生のグループが、輪になって地べたに座り込み、ティラミスみたいなケーキを食べお茶を飲みながら宴会を開いている。

一人で座り込んでスマホチェックしている人あり、グループで集まっている人々あり、行き交う人あり、カップルで座り込んで仲良くお話ししている人々あり、で様々であるが(何故か黒いタイルのところでしか人が集まっていないのは、何か心理的な理由があるのかしらん)、皆、意外と撤収は早い。女子高生のグループも、ケーキを食べ終わったら集合で自撮りしてさっさと帰って行った。

日本だと、駅(しかも首都の最も主要な駅)の広場を、一般人がこういう風に地べたに座ったりなんかして利用することが許されるなんて、到底考えられないのだけど、理由は、広さの問題もあるが、この撤収の素早さがないこともその理由の一つではないか。

コンビニの前に行き場のない中高生がずっとたむろして苦情になるように、こういう地べた座りを許容すると、おじさんが延々お酒を飲みくだを巻いて苦情になるのは目に見えている。

撤収が早いってことは何かに依存して紛らわせる必要がないってことで、そういえば、台湾の人たちの機嫌の良さも、マナーの良さも、全て「依存していない」ことの証左のように思えてくる。ここは日本と違って、嗜癖のにおいが全くしない。

台北駅の広場からは、日本から進出したテナント、「まい泉」、「MUJI」などの見慣れたロゴマークが見えるし、そうではなくても日本風のロゴデザインがたくさん見える。台湾の人たちはくまモンが大好きなようで、わざわざキャリーケースにくまモンのカバーを掛けた人もよく見かける。こんな風に日本風のものが溢れているけれど、日本とは絶対的に何かが違う。

そう、「嗜癖のにおいがしない」。だから、日本と似たようなロゴデザインに囲まれたまま「正気を取り戻す」気分になる。

さて、時間が来たので、高鐵に乗り込む。高鐵は、日本の新幹線方式を採用しているのだが、日本の新幹線より座席が広々していて、前の座席との間が広い。大体日本のグリーン車くらいのスペースである。しかも、台北から左營まで約1時間半乗って、片道5400円しない位である。物価の差を考慮しても、割安である。

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台鐵便當で遅めの昼食を取る。シンプルだけど、余計な味付けがなくて美味しい。台湾の味付けは薄味でちょっと甘め、五香粉のような香辛料を使うのが特徴。ゴミを増やすプラスチックの小分けのカップを使っていないのも好感度高い。

丁度食べ終わった頃になると、清掃の人が頻繁にゴミを取りに来てくれるので、これも便利。

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左營からホテルの最寄り駅までも、MRTを使ってみたが、以前は使えなかった筈の悠遊カードが使えるようになっていた。これまた便利。

もちろん、MRTの使い勝手の良さは台北と同じである。

少々暑い中(←しかし東京が最高気温33℃のところ、高雄は31℃であった)、キャリーケースを引っ張って歩くと日差しがきついなーと思っただけで、ホテルまでほぼノーストレスである。

というか、そもそも、ここ台湾では、公共交通機関が乗客に極力ストレスを掛けないように設定されている。素晴らしい。東京は帝都時代からある地下鉄を使っているから仕方がない部分もあるのだろうが…。

ホテルにチェックインしたら、もういい加減夕方だったので、名物の鴨肉飯を食べ、

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それから、これまたこの時期お決まりのマンゴーかき氷を食べていたら、お店に一人で来店していたお兄さんが、黙々とかき氷(マンゴーじゃなかった)を食べ終え、支払いを済ませ、セグウェイのような乗り物に乗り店から颯爽と出て行った。しゅごい。

あと、暗くて動きが素早いので写真は撮れなかったんだけど、電動車椅子(夜なので電飾付き)で公道を結構飛ばしている人も見かけた。

セグウェイもこれも、多分日本では「安全上問題がある」とかなんとか言っちゃって、許可されていない奴だよね……。

自由に高速で移動出来る、っていうことも移動における人のストレスを極力減らす要因の一つ。そうだよね、身体が不自由になっても、付き添いなしで車椅子で速く移動したいよね。

このように、公共の場のスペースの自由、移動の自由が極力保障されていて、人にできるだけストレスを掛けない、我慢に頼らないシステムが構築されている。

我慢する機会が少なければ、それを何かで紛らわせる、つまり嗜癖の必要もない訳だ。なるほど…。

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と、後付けで色々理由は書いてきたけど、実際のところは、松山空港でSIM購入と台湾ドルのキャッシングを済ませ、一歩外に出たら、幼い女の子がおばあさんの引っ張る車輪付きのお馬さんに乗り、大きな声で朗々と何かを歌っているのに遭遇した段階で、「ああ、ここは台湾だ。もう大丈夫」という気分がこみ上げてきた。これが全てを物語っていると思う。

 

2017.11台湾・その4(便利な悠遊カード)(2017年11月23日~2017年11月26日)

台北での移動の必需品といえば、まずはこの悠遊カード(悠遊卡・ようようかー)。台北のMRTでも、バスでも使えます。

地下鉄の駅やコンビニで、1枚100台湾元で買えます。前はデポジット制だったようですが、今は買う方式になりました。ただし、MRT(台北の地下鉄)の運賃は、悠遊カードを使うと2割引きです。

駅の窓口で悠遊カードを買うときにチャージもしてもらえますし、駅にはチャージ用の機械も設置してあります。チャージは「加値」。チャージ中、機械さんが、「ちゃーじ、ちょん!ちゃーじ、ちょん!」としゃべりはります。中国語かわいすぎ。

台北のMRTは、ホームが広々としている駅が多くてうらやましい。ホームドアもきちんと付いているし。

そして、悠遊カードは、台北のレンタサイクル・Ubikeでも使えます。旅行者用の期間限定SIMの携帯電話番号と、悠遊カードで登録すれば使えます。

Ubikeはこれです。

上海のレンタサイクルは、確か自転車にGPSが付いていて、比較的どこにでも乗り捨てOKだった気がしますが、Ubikeはステーションが決まっていて、ステーションで借りてステーションに返すシステムです。ステーションの場所や状況は、HPやアプリでチェックできるようです。

Ubikeの公式HPから確認できる、ステーションの場所と現状(例)。結構ステーションの数はありますね。

今回は雨模様だったのであまり乗らなかったのですが、臺平市立大学前の置き場から泊まったホテルの近くまで、ちょっとだけ乗ってみました。

暗い。いかにも雨が降りそう。

ちょっとしか乗らなかったので、10台湾元だけかかりました。(4時間以内は、30分10元のレンタル料です)。

便利なので、帰り際に、邪魔になる小銭は全部悠遊カードにチャージして来てしまいました。

また来るぞ-!次は高雄だ!と思ったら、悠遊カードは今のところ、高雄のMRTでは使えないそう。なんでも台北の市長と高雄の市長が仲が悪い張り合ってるそうで…仲良くしようよ。

最初は「台北で便利な物」というタイトルで書こうと思ったのだけど、悠遊カードの話だけで終わっちゃった…。もう1記事くらいは、年内に台湾のことをなんか書くかな?

んでもって、半年以内にはまた台北に行くことがなぜかほぼ決定。お金になるビジネスとかならいいんですけど、仕事でもなんでもなく、くじ引き的なものに当たった…台湾が呼んでる…

 

 

 

2017.11台湾・その3(台湾の食事はおいしいのか、について)(2017年11月23日~2017年11月26日)

台湾の食事はおいしくない、という人もいるようだけど、私自身は概ねおいしいと感じる。

観光客だけでなく地元の人にも人気がある店で、内装や外観よりも料理に注力しているような店は、まず外れないし、コストパフォーマンスもよいと思う。ただ、夜市や屋台は、化学調味料の味が強いと聞いているので、利用したことはない。
確かに、塩味や、スイーツの甘みですら、日本よりずっと薄味だが、個人的には、日本の北関東・東北の醤油や塩味の強すぎる味付けは苦手なので、むしろ好ましいと感じる。

例えば、これは高鐵便當(100台湾元)(写真は前回のもの)。

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確かに味付けは薄いけど、日本の弁当のように、いかにも添加物をてんこ盛りにして工場で作ってきたおかずを寄せ集めました、みたいな味はしないし、ゴミになる仕切りのばらんや、プラスチックカップもないし、こちらの方がずっといい。

下手をすると観光客だらけで激混みになりがちな、小籠包その他点心の店も、台北のここの店は地元の人も来ていて、おいしかった。注文は、備え付けの所定の紙に鉛筆でマークして渡す方式。料理の写真は取り忘れた(これも写真は前回)。DSC_0004

おなじみ魯肉飯(これも写真は前回)。

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前回の記事で挙げた香港式ワンタン麺の店2017.11台湾・その2(朝ごはんについて)(2017年11月23日~2017年11月26日)も、近所の人が来る庶民的なお店でおいしい。

でも食事は、南部の方が断然いいように思う。
蛤蜊湯。小さなハマグリのスープ。貝が苦手なので、こういうのは絶対日本では頼まないのだけど、これはショウガが効いていて滋味があっておいしく頂ける。

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それに鶏肉飯。

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ちなみに、今回は高鐵で嘉義まで行ったのだけど、街全体で地鶏一押しだった。地鶏の名産地なのだろうか。

そして、台湾で美食の街といえば、やっぱり台南だろうと思う。前回行ったけど、とてもじゃないけど食べきれない。台南まで行くと、海鮮の産地であるため新鮮な海鮮を使った料理が多くなり、食肉処理場も近いということで牛肉もおいしい。鱔魚(タウナギ)と、イカの麺を食べ損ねた…

台南の食事を紹介しているときりがないので、これだけ置いておく。

担仔麺。エビだし。

台湾の田舎をバスで走っていたら、車窓の風景が、田んぼ→麦稈ロール→サトウキビ畑→ドラゴンフルーツの畑、とまあ豊かなことで感心した。補足すると、麦稈ロールとは北海道の美瑛町の写真などでは写っていることがあるけど、収穫後の麦わらをロール状にまとめたもので、これがあるということは、麦が獲れるということと、麦わらを食べる家畜がいる、ということを意味する。

そして、台湾のTV番組を眺めていても、食の話題がすごく多くて、台湾の農産物の残留農薬規制は、アメリカや日本より厳しいんです!とやっていたり、食品の偽装表示を行った会社が処罰されていたり、台湾人が熱心に無農薬の米作りをしていたりする。台湾人の食に対する愛情を感じる。

これで食事がおいしくない訳はないと思う。というより、日本が駄目すぎるのだろうと思う。