2度目の韓国 その5・2019年10月ソウル・全州(鍾路三街の焼肉屋通り)

韓国は日本から近くて日本の旅行者も多いため、他の国どの国にもまして、日本語情報が多い国です。それだけに、その場所がちょっとでも有名になると、観光客ががわぁーっと押し寄せてしまいがちなのが欠点といえば欠点ではありますが、それでもチョン・ウンスク(鄭銀淑)さんの「美味しい韓国ほろ酔い紀行 」(双葉文庫)みたいに、読み物としても優れた日本語情報があるのは、本当にとても助かります。

そのチョン・ウンスクさんの本にも取り上げられていた、ソウル・鍾路三街(チョンノサンガ)、昔は色町として栄えた、おじさんとゲイの街だったのが、今は隣接する益善洞(イクソンドン)がスタイリッシュになって若者たちがなだれ込んできて、いい具合に多くの要素が混じり合った街になっているとのことで、これはもう、来訪せざるを得ません。

今度は地下鉄で鍾路三街に向かいます。T-Moneyカード大活躍です。

地下鉄の駅を出て地上に上がり、細い路地を入ってしばらくすると、正面前方がこれ。

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おお、これは鍾路三街の焼肉屋街を代表する名店、「味 カルメギザル」ではありませんか。

「カルメギザル」とは豚のハラミのことで、韓国の焼肉店はかなり専門性が高く、このように自店が得意とする肉の部位を一つか、せいぜい数種類出す店が多いようです。

ですが、この混みよう。土曜日の午後7時じゃ当たり前か。時間をずらしてくればよかった。

「味 カルメギザル」の左側に隣接する、「光州(クワンジュ)チプ」も満席です。

あてもなく、ぐるぐるこの界隈の路地を回ってみましたが…

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とにかく、どこも満員です。それどころか、どこの店も、入店待ちのお客さんが並んでいる様子。しかも、誰が何処の店にどうやって並んでいるのか、いまいちシステムが分かりづらい。

しょうがないので、しばらく近辺をウロウロすることに。さすがに8時くらいになったら空いてくるでしょう。

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上の写真の店のあたりまでやってくると、突然焼肉屋街が途切れ、お洒落なアクサセリーショップなぞが出現します。なるほどー、ここらへんからが益善洞ね。

ちなみに、上の店の価格表を提示しておきます。

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どの店も大体、1人前200グラム14,000ウォン(1300円)くらいで、2人前からというところが多いようです。実は例外があって、外れにあまり人が入っていない店があるなーと思って価格表を見たら、180グラムで14,000ウォンとか。せこい。

 

さて、益善洞に入ると、小洒落たクラフトビアの店だとか、ピザの店とかが出現します。古い建物をリノベーションしていますが、焼肉屋街からは様変わり。

次の店は、調理場を見せるスイーツの店。人が並んでいましたが、何の店なのかはよく分かりませんでした。

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次の店は、一見お洒落なカフェ風と見せかけて

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なんと、日本風とんかつの店でした。店頭にあった冊子を読むと、何ページにもわたり、日本語で説明が書いてあります。思わず熟読してしまいました(なんでか知らんが、写真をアップできないので一部転記します)。

「数年前に写真でしか見てなかった日本のトンカツを食べた時に感動を受けました。そして思いました。こんなにおいしくて格好よい日本のとんかつを もうちょっと韓国人の口に合うように一膳で提供すれば 国内のお客さんに良い食べ物を食べさせる店になりそうだと思いました。」ということでした。2019年の10月3日に開店したばかりの店みたいですが、流行るといいですね。

ちなみに、肉も野菜も米も韓国産とのことです(今、撮った写真を見返してみたら、キムチも韓国産と書いてありました。とんかつにキムチ?日本のお新香の代わりに出すのだろーか)ので、放射脳な私も安心です。

 

さて、どこかカフェにでも入って待とうかとも思ったのですが、それらしきカフェも見つからないまま、1時間くらい歩き回り、午後8時近くなってくると、少し店も空いてきている様子。

この済州島のオギョプサル(豚の五枚肉)の店、「チェジュアバン」に入れそう。

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前にカップルが写っていますが、他意はありません。あ、この人たちも同じ店に入ろうとして待っているのでした。

さて、なんとか入店。

このときは、店にたまたま日本語堪能な店員さんがいて、「オギョプサルしかありませんが、いいですか?」とのこと。もちろんOKしてオギョプサルを注文。

この店の焼肉のグリル板は、日本では見たことがないタイプのもので、ガスコンロの上に嵌め込まれた鉄の枠の上に石板を載せ、その上で肉を焼きます。

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上の写真に○を付けたところに石板の切れ目があり、石板が少し傾いているので、焼肉の余分な脂肪が、この切れ目から下の金属製の皿に落ちる仕掛けになっています。

しばらくしたら肉がやってきました。店の人が塊で持ってきて、ハサミで切って焼いてくれます。

石板の真ん中、小さい金属製の器に入っているのは、鰯の塩辛だそうです。済州島ではこのスタイルだとか。

先ほどの切れ目から脂が落ちているのがお判りでしょうか。肉は高い方に置いて、キムチや野菜は低い方に置いてあるので、肉から落ちた脂が適度に野菜やキムチにも染み込み、おいしく脂も楽しめるようになっています。

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塊の肉は、だいぶ白い脂身の部分が多かったので、大丈夫かなーと思ったのですが、すごくおいしくてあっさりと食べられました。〆のポックンッパ(チャーハン)も、おいしくて大満足。

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夜の焼肉屋街、独特の雰囲気があって魅力的です。もう少し空いていてすぐに店に入れると嬉しいけど…。でも、韓国の街は人混みでも、あまり人が殺気立っていないので安心感があるのでした。

路地を出て、大通りに戻るとそこは屋台街。みんな、これからまだ呑むぞー、といった風情。

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私は朝からもう、ずーっと歩いていて疲れたので、屋台には寄らずに帰りましたが、鍾路三街はテーマパークみたいで、街を歩いていても本当に面白くて飽きません。今度は、明るい時間に来てみたいです。

この日は以上~。